最決昭和54年11月19日
強盗予備罪(刑法237条)の「強盗の罪を犯す目的」には、事後強盗(238条)を目的とする場合も含まれるとした決定。
出題:司法H27・司法R1・司法R3・司法R8・予備H27・予備R3・予備R8
- 裁判所
- 最高裁判所第二小法廷
- 事件番号
- 昭和53(あ)643 強盗予備
- 裁判
- 決定・棄却
- 判例集
- 刑集 第33巻7号710頁
- 参照法条
- 刑法237条,刑法238条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
刑法二三八条の準強盗を目的とする場合と同法二三七条にいう「強盗ノ目的」
裁判要旨
刑法二三七条にいう「強盗ノ目的」には同法二三八条の準強盗を目的とする場合を含む。
解説
事案
被告人は強盗予備罪で起訴された。事案は、窃盗の際に発見されたら脅迫して逮捕を免れるなどの目的で、凶器等を準備し、犯行対象を探していたというものである。つまり、被告人の目的は、窃盗の機会に発覚したときに暴行・脅迫に出ること、すなわち刑法238条の事後強盗(準強盗)を犯すことにあった。
原審(東京高裁)は、237条の「強盗ノ目的」には238条の準強盗を目的とする場合も含まれると判断し、強盗予備罪の成立を認めた。弁護人は判例違反・法令違反・事実誤認を理由に上告した。最高裁は、上告趣意はいずれも刑訴法405条の上告理由にあたらないとして上告を棄却した。そのうえで「なお」書きの職権判断として、原判断を正当とした。
争点
- 刑法237条の「強盗の罪を犯す目的」(旧規定「強盗ノ目的」)に、238条の事後強盗(準強盗)を目的とする場合が含まれるか
- 窃盗が発覚した場合に限って暴行・脅迫に出るという、いわば条件付きの事後強盗目的で凶器等を準備した行為に、強盗予備罪が成立するか
判旨
結論:上告棄却。事後強盗目的での準備行為に強盗予備罪の成立を認めた原判断は正当である。
規範:刑法237条にいう「強盗の罪を犯す目的」には、同法238条に規定する事後強盗(準強盗)を目的とする場合も含まれる。
答案では次の形で書ける。
- 「237条の『強盗の罪を犯す目的』には、238条の事後強盗を目的とする場合も含まれる(最決昭和54年11月19日)」
- 「したがって、窃盗の際に発覚すれば暴行・脅迫を加えて逮捕を免れる等の目的で凶器等を準備した行為にも、強盗予備罪が成立する」
この判断は職権判断として示された(いわゆる「なお書き」)。決定理由中に詳しい理由づけはない。
判決文から
「刑法二三七条にいう「強盗ノ目的」には、同法二三八条に規定する準強盗を目的とする場合を含むと解すべきであつて、これと同旨の原判断は正当である。」
事後強盗目的も強盗予備の目的に含むとした唯一の判示部分
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