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最判昭和53年3月6日

前主の占有を併せて主張する10年取得時効では、善意・無過失は最初の占有者の占有開始時で判定すれば足りる。

刑事訴訟法訴因と公訴事実の同一性訴因変更責任財産の保全(詐害行為・債権者代位)本試験で 3 問(短答 3・論文 0)

出題:司法H22・司法H24・司法R1

裁判所
最高裁判所第二小法廷
事件番号
昭和52(オ)658 土地所有権確認等
裁判
判決・破棄差戻
判例集
民集 第32巻2号135頁
参照法条
民法162条2項,民法187条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

占有の承継が主張された場合と民法一六二条二項にいう占有者の善意・無過失の判定時点

裁判要旨

不動産の占有主体に変更があつて承継された二個以上の占有が併せて主張された場合には、民法一六二条二項にいう占有者の善意・無過失は、その主張にかかる最初の占有者につきその占有開始の時点において判定すれば足りる。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

被上告人らが上告人に対し、土地について所有権確認、所有権移転登記手続、引渡しを請求した。

  • 上告人は抗弁として10年の取得時効を主張した。一部の土地(第二物件目録(三)ないし(七))について、訴外Mの占有から訴外国の占有を経て訴外Nに至る占有期間中に時効が完成したというものである。
  • 原審は次のように判断した。悪意・有過失の者が善意・無過失の者の占有を特定承継しても、前主の占有に瑕疵がないことまで承継するわけではない。また、瑕疵のある中間者の占有期間を併せて主張する以上、前々主と自己の占有に瑕疵がなくても、全体として瑕疵ある占有となる。
  • そのうえで原審は、中間者である国の占有に過失があったことを理由に取得時効の完成を否定し、抗弁を排斥して請求を認容した。

これに対し上告人が上告した。

争点

  • 占有主体に変更があり、承継された二個以上の占有を併せて主張する場合(民法187条1項)に、民法162条2項の善意・無過失はいつ・誰について判定するか
  • 瑕疵(過失)のある中間占有者が介在する場合に、全体として瑕疵ある占有となるか

判旨

原判決の該当部分を破棄・差戻しとした。

規範:民法162条2項は、占有開始時点で善意・無過失を判定するという規定である。この規定は、同一人が占有を継続した場合だけでなく、占有主体に変更があって承継された二個以上の占有を併せて主張する場合にも適用される。後者の場合は、その主張にかかる最初の占有者について、その占有開始の時点で善意・無過失を判定すれば足りる。

したがって、中間の占有者(本件では国)に過失があっても、それだけで10年の取得時効の完成を否定することはできない。これを否定した原審の判断は、民法162条2項・187条1項、2項の解釈を誤ったものである。

差戻審では、最初の占有者Mの善意・無過失について審理を尽くさせる。

判決文から

「占有主体に変更があつて承継された二個以上の占有が併せて主張される場合についてもまた適用されるものであり、後の場合にはその主張にかかる最初の占有者につきその占有開始の時点においてこれを判定すれば足りるものと解するのが相当である。」

判定の基準者・基準時を示した規範部分

「原審の右判断には民法一六二条二項、一八七条一、二項の解釈を誤つた違法があるというべきである。」

中間者の瑕疵で全体を瑕疵ある占有とした原審を否定

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。