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黙示の公用廃止事件

最判昭和51年12月24日

公共用財産でも、形態・機能を全く失い維持する理由がなくなれば黙示的に公用廃止されたものとして取得時効が成立しうる

商法機関設計・株主総会行政行為(効力・瑕疵)時効本試験で 7 問(短答 7・論文 0)

出題:司法H23・司法H25・司法R8・予備H23・予備H25・予備R2・予備R5

裁判所
最高裁判所第二小法廷
事件番号
昭和51(オ)46 所有権確認請求、同附帯
裁判
判決・棄却
判例集
民集 第30巻11号1104頁
参照法条
民法162条,国有財産法3条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

公共用財産について取得時効が成立する場合

裁判要旨

公共用財産が、長年の間事実上公の目的に供用されることなく放置され、公共用財産としての形態、機能を全く喪失し、その物のうえに他人の平穏かつ公然の占有が継続したが、そのため実際上公の目的が害されることもなく、もはやその物を公共用財産として維持すべき理由がなくなつた場合には、右公共用財産について、黙示的に公用が廃止されたものとして、取得時効の成立を妨げない。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

本件係争地は、公図上は水路と表示された国有地(公共用財産)であった。しかし古くから水田や畦畔に作りかえられ、水路としての外観を全く失っていた。被上告人の祖父がDから借りて小作していた当時から、係争地と本件田は細い畦畔で45枚の水田に区分けされていた。

被上告人は、昭和22年7月2日、自作農創設特別措置法に基づき上告人(国)から本件田の売渡しを受けた。当時の位置関係・使用状況は祖父の耕作時代と全く同じであった。そのため被上告人は、係争地を含む水田と畦畔全体が売り渡されたと信じ、水田・畦畔として平穏かつ公然に係争地の占有を続けた。

被上告人は所有権確認を求め、原審は取得時効の成立を肯定した。国が上告した。

争点

  • 公共用財産(公物)は民法162条の取得時効の対象となるか
  • 公用廃止の明示的な意思表示がない場合に、黙示の公用廃止を認めることができるか、その要件は何か

判旨

上告棄却(取得時効の成立を肯定)。

規範:公共用財産が次の要件をみたす場合には、黙示的に公用が廃止されたものとして、取得時効の成立は妨げられない。

  • ① 長年の間、事実上公の目的に供用されることなく放置された
  • ② 公共用財産としての形態・機能を全く喪失した
  • ③ その物の上に他人の平穏かつ公然の占有が継続した
  • ④ そのため実際上公の目的が害されることもなく、もはや公共用財産として維持すべき理由がなくなった

これと趣旨を異にする大審院判例は変更する。

あてはめ:本件係争地は水路としての形態・機能を全く喪失し、祖父の時代から私人に占有されてきたが、公の目的は害されていない。したがって黙示的に公用廃止されたものとして、取得時効の対象となりうる。

判決文から

「右公共用財産については、黙示的に公用が廃止されたものとして、これについて取得時効の成立を妨げないものと解するのが相当である。」

黙示の公用廃止による時効取得を認めた結論部分

「これと趣旨を異にする所論引用の大審院判例(大正九年(オ)第八四一号同一〇年二月一日判決・民録二七輯三巻一六〇頁、昭和四年(オ)第二八九号同年一二月一一日判決・民集八巻一二号九一四頁)は、変更されるべきであり」

大審院判例を変更した点

「そのため実際上公の目的が害されるようなこともなく、もはやその物を公共用財産として維持すべき理由がなくなつた場合には」

公の目的を害しないことが要件である点

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。