徳島市公安条例事件
公安条例の「交通秩序を維持すること」は憲法31条に反するほど不明確ではなく、道交法とも抵触しないとした判決
出題:司法H23・司法H24・司法H25・司法H29・司法H30・司法R2・司法R3・司法R8・予備H23・予備H29・予備R3・予備R8
- 裁判所
- 最高裁判所大法廷
- 事件番号
- 昭和46(あ)1176 集団行進及び集団示威運動に関する徳島市条例違反、公務執行妨害、傷害
- 裁判
- 判決・破棄自判
- 判例集
- 集刑 第197号199頁
- 参照法条
- 昭和27年徳島市条例3号(集団行進及び集団示威運動に関する条例)3条3号,昭和27年徳島市条例3号(集団行進及び集団示威運動に関する条例)5条,憲法31条,道路交通法77条1項4号,道路交通法77条3項,道路交通法119条1項13号,徳島県道路交通施行細則(昭和47年徳島県公安委員会規則1号による改正前のもの)11条3号
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
一 昭和二七年徳島市条例第三号集団行進及び集団示威運動に関する条例三条三号の「交通秩序を維持すること」の意義とその犯罪構成要件としての明確性 二 昭和二七年徳島市条例第三号集団行進及び集団示威運動に関する条例三条三号、五条と道路交通法七七条一項四号、三項、一一九条一項一三号、徳島県道路交通施行細則一一条三号との関係
裁判要旨
一 昭和二七年徳島市条例第三号集団行進及び集団示威運動に関する条例三条三号が集団行進等についての遵守事項の一として、「交通秩序を維持すること」を掲げているのは、道路における集団行進が一般的に秩序正しく平穏に行われる場合はこれに随伴する交通秩序阻害の程度を超えた、殊更な交通秩序の阻害をもたらすような行為を避止すべきことを命じているものと解され、このように解釈した場合、右規定は右条例五条の犯罪構成要件の内容をなすものとして憲法三一条に違反するような不明確性を有するものではない。 二 道路交通法七七条一項四号は、その対象となる道路の特別使用行為等につき、各普通地方公共団体が、条例により地方公共の安寧と秩序の維持のための規制を施すにあたり、その一環として、これらの行為に対し、道路交通法による規制とは別個に、交通秩序維持の見地から一定の規制を施すことを排斥する趣旨を含むものではなく、昭和二七年徳島市条例第三号集団行進及び集団示威運動に関する条例三条三号の規制と道路交通法七七条及びこれに基づく徳島県道路交通施行細則による規制が一部重複しても、道路交通法による規制は条例の規制の及ばない範囲においてのみ適用されるものと解すべく、右条例三条三号、五条の規定が道路交通法七七条一項四号、三項、一一九条一項一三号、徳島県道路交通施行細則一一条三号に違反するものではない。
解説
事案
被告人は、昭和39年11月13日、徳島市内で行われた原子力潜水艦寄港反対の集団示威行進(参加者約1000名)に参加した。行進中、隊列の外から携帯用マイクで「わつしょい、わつしょい、原潜反対」などと大声で何度も呼びかけた。そのたびに、行進者の一部が道路幅いっぱい、あるいはその3分の2にわたるだ行進をすることに気勢を添えた。
この行為が、徳島市集団行進及び集団示威運動に関する条例(以下「本条例」)3条3号(遵守事項「交通秩序を維持すること」)違反をせん動したものとして、同条例5条で起訴された。公務執行妨害・傷害の罪もあわせて起訴された。
- 第一審:公務執行妨害・傷害は有罪。条例違反は、3条3号が一般的・抽象的・多義的で憲法31条に違反するとして無罪。
- 原審:双方の控訴を棄却。明確性の欠如に加え、次の理由も示した。所轄警察署長が道路交通法77条に基づく道路使用許可の条件として「だ行進をしないこと」を定めている以上、だ行進の規制・処罰は道交法でのみ行えるとした。
- 検察官と被告人がそれぞれ上告した。
争点
- 本条例3条3号「交通秩序を維持すること」は、犯罪構成要件として憲法31条に反するほど不明確か
- 本条例3条3号・5条は、道路交通法77条1項4号・3項、119条1項13号および徳島県道路交通施行細則に違反するか(条例と法律の関係)
判旨
被告人の上告は棄却した(事実誤認の主張で、上告理由にあたらない)。原判決中、検察官の控訴を棄却した部分と、第一審の無罪部分を破棄し、自判して罰金1万円とした。
- 明確性:本条例3条3号は、集団行進等が秩序正しく平穏に行われる場合に随伴する交通秩序阻害の程度を超えた、殊更な交通秩序の阻害をもたらすような行為を避止すべきことを命じる趣旨である。このように解釈すれば、5条の犯罪構成要件の一部として憲法31条に違反するような不明確性はない。
- 道交法との関係:道交法77条1項4号は、地方公共団体が条例で地方公共の安寧と秩序の維持のための規制を施す一環として、道交法とは別個に交通秩序維持の見地から規制することまで排斥する趣旨ではない。両者の規制が一部重複しても、道交法の規制は条例の規制の及ばない範囲においてのみ適用される。したがって、本条例は道交法関係法令に違反しない。
判決文から
「道路における集団行進等が一般的に秩序正しく平穏に行われる場合にこれに随伴する交通秩序阻害の程度を超えた、殊更な交通秩序の阻害をもたらすような行為を避止すべきことを命じている趣旨と解される」
「交通秩序を維持すること」の解釈内容
「交通秩序の維持の見地から一定の規制を施すこと自体を排斥する趣旨まで含むものではなく」
道交法が条例規制を排斥しないとした核心
「道路交通法による規制は、条例の規制の及ばない範囲においてのみ適用されるものと解すべく、右条例をもつて道路交通法関係法令に違反するものとすることができない」
重複規制の処理と抵触否定の結論
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
