薬事法距離制限事件(薬局距離制限事件)
薬局等の適正配置規制(距離制限)は消極目的の許可条件として必要性・合理性を欠き、憲法22条1項に違反するとした法令違憲判決
出題:司法H22・司法H24・司法H25・司法H26・司法H27・司法H29・司法R1・司法R2・司法R6・司法R8・予備H24・予備H29・予備R3・予備R5
- 裁判所
- 最高裁判所大法廷
- 事件番号
- 昭和43(行ツ)120 行政処分取消請求
- 裁判
- 判決・破棄自判
- 判例集
- 民集 第29巻4号572頁
- 参照法条
- 憲法22条1項,薬事法6条2項,薬事法6条4項,薬事法26条2項
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
薬事法六条二項、四項(これらを準用する同法二六条二項)と憲法二二条一項
裁判要旨
薬事法六条二項、四項(これらを準用する同法二六条二項)は、憲法二二条一項に違反する。
解説
事案
上告人は、医薬品の一般販売業の許可を申請した。この申請は、薬局等の適正配置規制を新たに設けた昭和38年法律第135号による薬事法改正の施行日の前日に受理された。許可権者である被上告人は、改正法に基づく配置基準を定める広島県条例「薬局等の配置の基準を定める条例」の施行を待って申請を処理した。そして昭和39年1月27日付で、申請は薬事法26条2項が準用する同法6条2項・4項と県条例3条の配置基準に適合しないとして、不許可処分をした。
上告人はこの処分の取消しを求めて提訴し、第一審は請求を認容した。原審(広島高裁)は、上記の法令を合憲として処分の効力を維持した。上告人は、改正後の法令を適用したことの違法と、規制が憲法22条・13条に違反することを主張して上告した。
争点
- 許可申請の許否は申請時の法令と処分時の法令のどちらによって決すべきか
- 憲法22条1項は職業活動の自由も保障するか
- 職業の許可制、およびその個々の許可条件の合憲性をどのような基準で判断するか
- 薬局等の適正配置規制(薬事法6条2項・4項、26条2項)は憲法22条1項に違反するか
判旨
原判決を破棄し、被上告人の控訴を棄却した(不許可処分は取消し)。
- 処分時法令主義:行政処分は原則として処分時の法令に準拠する。許可申請者は、申請によって申請時の法令により許可を受ける具体的権利を取得しない。したがって、改正後の法令を適用しても法律不遡及の原則に反しない。
- 保障範囲:憲法22条1項は、狭義の職業選択の自由のほか、職業活動の自由も保障する。
- 許可制の合憲性の規範:許可制は狭義の職業選択の自由そのものを制約する強力な制限である。そのため、合憲といえるには原則として重要な公共の利益のために必要かつ合理的な措置であることを要する。消極的・警察的措置の場合は、さらによりゆるやかな職業活動の内容・態様に対する規制では目的を十分に達成できないと認められることを要する。この要件は、許可制そのものだけでなく、個々の許可条件にも個別に要求される。
- あてはめ:本件の適正配置規制は、目的は重要な公共の利益といえるものの、必要性・合理性を肯定できない。立法府の合理的裁量の範囲を超え、憲法22条1項に違反し無効である。
判決文から
「右規定は、狭義における職業選択の自由のみならず、職業活動の自由の保障をも包含しているものと解すべきである。」
22条1項が職業活動の自由も保障することを明示
「裁判所としては、規制の目的が公共の福祉に合致するものと認められる以上、そのための規制措置の具体的内容及びその必要性と合理性については、立法府の判断がその合理的裁量の範囲にとどまるかぎり、立法政策上の問題としてその判断を尊重すべきものである。」
立法裁量尊重の一般論。裁量の広狭は事の性質で変わる
「その合憲性を肯定しうるためには、原則として、重要な公共の利益のために必要かつ合理的な措置であることを要し」
許可制の合憲性審査の基本規範
「許可制に比べて職業の自由に対するよりゆるやかな制限である職業活動の内容及び態様に対する規制によつては右の目的を十分に達成することができないと認められることを要する」
消極目的の許可制に課されるLRA的要件
「特定場所における開業の不能は開業そのものの断念にもつながりうるものであるから、前記のような開業場所の地域的制限は、実質的には職業選択の自由に対する大きな制約的効果を有するものである。」
距離制限を実質的な選択の自由の制約と評価
「右判決において示された法理は、必ずしも本件の場合に適切ではない。」
小売市場判決との区別(目的の違い)
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
