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最判昭和50年4月25日

他人物賃貸借の賃借人は、真の権利者から明渡請求を受けた以後、民法559条・576条により賃料支払を拒絶できる

民法賃貸借・使用貸借契約総論(成立・解除・危険負担)社会権(生存権・教育・労働)本試験で 4 問(短答 3・論文 1)

出題:司法H25・司法H28・予備H28・予備H30

裁判所
最高裁判所第二小法廷
事件番号
昭和49(オ)161 建物明渡請求
裁判
判決・棄却
判例集
民集 第29巻4号556頁
参照法条
民法559条,民法576条,民法601条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

賃借物につき第三者から明渡を求められた賃借人の賃料支払拒絶権

裁判要旨

土地又は建物の賃借人は、賃借物に対する権利に基づき自己に対して明渡を請求することができる第三者からその明渡を求められた場合には、それ以後、賃料の支払を拒絶することができる。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

上告人(賃貸人)は、被上告人B1に本件店舗を賃貸した。上告人は本件店舗について所有権ないし賃貸権限を有しておらず、他人物賃貸借であった。

その後、本件店舗について権利を有する被上告人B2が、B1に対して店舗の明渡しを請求した。B1は、この明渡請求を受けたのちは、上告人に対する賃料の支払を拒絶した。

また、B2は上告人に対して解除権を行使しており、この解除権行使が信義則違反・権利濫用にあたるかも争われた。

原審(東京高裁)は、B1は民法576条の趣旨に従い、B2から明渡請求を受けたのちは上告人に対する賃料の支払を拒絶できると判断した。上告人がこれを不服として上告した。

争点

  • 所有権ないし賃貸権限のない者から不動産を賃借した者が、真の権利者から明渡請求を受けた場合に、賃貸人への賃料支払を拒絶できるか(民法559条による576条の準用)
  • 支払を拒絶できる時期はいつからか
  • B2の上告人に対する解除権行使が信義則違反・権利濫用にあたるか

判旨

上告棄却。

規範

  • 所有権ないし賃貸権限を有しない者から不動産を賃借した者が、その不動産について権利を有する者から権利を主張され、明渡しを求められた場合には、賃借不動産を使用収益する権原を主張できなくなるおそれが生じたものといえる。
  • この場合、賃借人は、民法559条で準用する576条により、明渡請求を受けた以後、賃貸人に対する賃料の支払を拒絶することができる。

あてはめ

  • B1が、B2から本件店舗の明渡請求を受けたのちは上告人への賃料支払を拒絶できるとした原審の判断は正当である。
  • B2の上告人に対する解除権行使は、信義則に反するものとも、権利の濫用にあたるものとも認められない。

判決文から

「所有権ないし賃貸権限を有しない者から不動産を貸借した者は、その不動産につき権利を有する者から右権利を主張され不動産の明渡を求められた場合には、」

他人物賃貸借で真の権利者から明渡請求された場面という要件

「貸借不動産を使用収益する権原を主張することができなくなるおそれが生じたものとして、」

576条の「権利を失うおそれ」に当たるとする理由づけ

「民法五五九条で準用する同法五七六条により、右明渡請求を受けた以後は、賃貸人に対する賃料の支払を拒絶することができるものと解するのが相当である。」

根拠条文と、拒絶できる時期(明渡請求以後)

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。