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最判昭和49年3月7日

債権の二重譲渡の優劣は、確定日付の先後ではなく、確定日付ある通知の到達日時(承諾の日時)の先後で決まるとした(到達時説)

民法債権譲渡・債務引受物権総論・物権変動本試験で 4 問(短答 4・論文 0)

出題:司法H22・司法H25・司法R1・予備H29

裁判所
最高裁判所第一小法廷
事件番号
昭和47(オ)596 第三者異議
裁判
判決・破棄自判
判例集
民集 第28巻2号174頁
参照法条
民法467条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

一、指名債権の二重譲渡と優劣の基準 二、民法四六七条二項の確定日付ある通知と認められた事例

裁判要旨

一、指名債権が二重に譲渡された場合、譲受人相互の問の優劣は、確定日付ある通知が債務者に到達した日時又は確定日付ある債務者の承諾の日時の先後によつて決すべきである。 二、債権者が、債権譲渡証書に確定日付を受け、これを即日短時間内に債務者に交付したときは、民法四六七条二項所定の確定日付ある通知があつたものと認めることができる。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

訴外Dは、東京都下水道局長に対して有する約2044万円の債権(本件債権)を、昭和44年2月13日ころ上告人に譲渡した。Dは、債権譲渡の通知として局長宛の「債権譲渡書」に公証人から2月14日付の確定日付印を受けた。そのうえで、同日午後3時ころこの書面を下水道局に持参し、職員に交付した。

他方、被上告人B信用金庫は、Dに対する約1303万円の金銭債権の執行を保全するため、同日、本件債権について仮差押命令を得た。この命令は同日午後4時5分ころ、第三債務者である局長に送達された。

上告人は、仮差押えの執行不許を求めて第三者異議の訴えを提起した。第一審は請求を棄却した。原審は、譲受人相互の優劣は確定日付の日付の先後だけで決まると解した。そして、確定日付と仮差押命令の送達日が同じ日で先後を決められないとして、請求を排斥した。最高裁はこれを破棄自判し、請求を認容した。

争点

  • 指名債権が二重に譲渡された場合(譲受人と差押債権者が競合する場合を含む)、優劣を決める基準は確定日付の先後か、確定日付ある通知の到達の先後か
  • 民法467条2項の確定日付は、譲渡行為と通知のどちらか一方にあれば足りるか、通知・承諾そのものに必要か
  • 確定日付を受けた債権譲渡証書を、即日、債務者に持参・交付した行為が「確定日付ある通知」にあたるか

判旨

結論:上告人(譲受人)の請求を認容した。仮差押えの執行は許されない。

規範

  • 債権が二重に譲渡された場合、譲受人相互の優劣は、通知・承諾に付された確定日付の先後で決めるのではない。確定日付のある通知が債務者に到達した日時、または確定日付のある債務者の承諾の日時の先後によって決する。
  • 確定日付は、通知または承諾そのものについて必要である。
  • この理は、債権の譲受人と、同一債権に対して仮差押命令の執行をした者との優劣を決める場合にも異ならない。

あてはめ

  • Dが債権譲渡証書に確定日付を受け、これを即日下水道局に持参して職員に交付したことは、確定日付のある通知をしたものと認められる。
  • その到達(午後3時ころ)は、仮差押命令の送達(午後4時5分ころ)より先である。
  • よって、上告人は債権譲受けを被上告人に対抗できる。

判決文から

「当該債権の債務者の債権譲渡の有無についての認識を通じ、右債務者によつてそれが第三者に表示されうるものであることを根幹として成立しているものというべきである。」

対抗要件制度を債務者の認識を通じた公示と捉える

「債権が二重に譲渡された場合、譲受人相互の間の優劣は、通知又は承諾に付された確定日附の先後によつて定めるべきではなく、確定日附のある通知が債務者に到達した日時又は確定日附のある債務者の承諾の日時の先後によつて決すべきであり」

到達時説の中心となる規範

「確定日附は通知又は承諾そのものにつき必要であると解すべきである。」

確定日付が必要な対象を特定した部分

「右の理は、債権の譲受人と同一債権に対し仮差押命令の執行をした者との間の優劣を決する場合においてもなんら異なるものではない。」

差押債権者との競合にも同じ基準が及ぶ

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。