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長沼ナイキ基地訴訟第一審(長沼事件第一審)

札幌地判昭和48年9月7日

自衛隊を憲法9条2項の「戦力」として違憲とし、平和的生存権の裁判規範性を肯定して処分を取り消した下級審判決

憲法違憲審査制・憲法訴訟天皇・平和主義裁判所・司法権本試験で 5 問(短答 5・論文 0)

出題:司法H25・司法R1・司法R8・予備H29

解説

事案

いわゆる長沼ナイキ基地訴訟の第一審判決である。自衛隊に関わる行政処分について、住民らがその取消しを求めた。

  • 争点は大きく2つあった。1つは、原告らに訴えの利益(原告適格)が認められるかである。もう1つは、自衛隊が憲法9条に違反するかである。
  • 原告適格を基礎づける根拠として、憲法前文の「平和のうちに生存する権利」(平和的生存権)が主張された。
  • 本判決は原告の請求を認めて処分を取り消した。しかし控訴審(札幌高判昭和51年8月5日)で取り消された。上告審(最判昭和57年9月9日)は訴えの利益の消滅を理由に上告を棄却した。

争点

  • 憲法前文の平和的生存権は裁判規範性を有し、訴えの利益(原告適格)を基礎づけるか
  • 自衛隊は憲法9条2項の「戦力」に当たり違憲か

判旨

  • 平和的生存権:前文の平和的生存権に裁判規範性を認め、原告らの訴えの利益(原告適格)を基礎づける根拠の一つとした。
  • 自衛隊の合憲性:自衛隊は憲法9条2項が保持を禁じる「戦力」に当たり、違憲であると判断した。
  • 結論:処分を取り消した。
  • 位置づけとしては、自衛隊を違憲とした下級審の違憲判断例である。この判断は上級審で取り消されており、先例として維持されてはいない。

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