最判昭和48年7月19日
譲渡禁止特約の存在を知らないことに重過失がある譲受人は悪意者と同様に扱われ、債権を取得できないとした判例
出題:司法H22・司法H29・予備H29
- 裁判所
- 最高裁判所第一小法廷
- 事件番号
- 昭和47(オ)111 預金支払請求
- 裁判
- 判決・破棄差戻
- 判例集
- 民集 第27巻7号823頁
- 参照法条
- 民法466条2項
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
民法四六六条二項但書と重大な過失のある第三者
裁判要旨
譲渡禁止の特約のある債権の譲受人は、その特約の存在を知らないことにつき重大な過失があるときは、その債権を取得しえない。
解説
事案
訴外D商店は、銀行である上告人に対し、定期預金・定期積金・当座預金・普通預金の各債権(本件預金債権)を有していた。本件預金債権には、上告人の承諾がなければ譲渡できない旨の特約があった。
D商店が倒産したため、D商店の取引先債権者らの代表であるE繊維(脱退被控訴人)が、取引代金の代物弁済として本件預金債権の譲渡を受けた。昭和36年2月9日、その旨の通知が上告人に到達した。当時、預金証書等は上告人の手中にあったなどの事情から、Eらは譲渡禁止特約の存在を知らずに譲渡を受けていた。
原審はEの善意を認定し、上告人は特約をEに対抗できないとした。上告人が上告した。
争点
- 民法466条2項(旧法)ただし書の「善意の第三者」に、特約の不知について重大な過失のある譲受人が含まれるか
- 銀行預金債権の譲受人について、重過失の有無を審理せずに特約の対抗を否定した原審の判断の当否
判旨
破棄差戻し。
規範
- 旧466条2項は、文言上は第三者の過失の有無を問わないかのようである。しかし、重大な過失は悪意と同様に取り扱うべきである。
- したがって、譲渡禁止特約の存在を知らずに債権を譲り受けた場合でも、その不知につき譲受人に重大な過失があるときは、悪意の譲受人と同様、譲渡によってその債権を取得しえない。
あてはめ
- 銀行預金債権には一般に譲渡禁止特約が付され、預金証書等にその旨が記載されている。このことは、少なくとも銀行取引の経験者には周知の事柄である。
- 原審の善意の認定自体は首肯しえないではない。しかし原審は、釈明権を行使して重過失の有無について主張立証を尽くさせるべきであった。
- この点を判示しなかった原判決には、466条2項の解釈の誤りと審理不尽の違法がある。
判決文から
「重大な過失は悪意と同様に取り扱うべきものであるから、譲渡禁止の特約の存在を知らずに債権を譲り受けた場合であつても、これにつき譲受人に重大な過失があるときは、悪意の譲受人と同様、譲渡によつてその債権を取得しえないものと解するのを相当とする。」
重過失を悪意と同視する規範の核心部分
「銀行を債務者とする各種の預金債権については一般に譲渡禁止の特約が付されて預金証書等にその旨が記載されており」
預金債権で重過失が問題となる前提事情
「少なくとも銀行取引につき経験のある者にとつては周知の事柄に属するというべきである」
重過失判断で譲受人の属性を考慮する視点
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
