最判昭和48年12月14日
抵当不動産の第三取得者は、被担保債権の消滅で直接利益を受ける者にあたり、その消滅時効を援用できるとした判例
出題:司法H23・司法R4・予備R7
- 裁判所
- 最高裁判所第二小法廷
- 事件番号
- 昭和45(オ)719 土地建物抵当権設定登記抹消登記手続請求
- 裁判
- 判決・破棄差戻
- 判例集
- 民集 第27巻11号1586頁
- 参照法条
- 民法145条,民法166条,民法369条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
抵当不動産の第三取得者と抵当権の被担保債権の消滅時効の援用
裁判要旨
抵当不動産の譲渡を受けた第三者は、抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することができる。
解説
事案
本件不動産は、もとD土地建物株式会社の所有であった。D社は昭和33年11月14日、被上告人から200万円を借り受けた。その担保として、同日、本件不動産ほか2筆の土地に抵当権を設定し、同年12月12日に登記を経由した。
上告人は、昭和37年9月4日、D社から本件不動産の所有権を代物弁済により取得した。
本件は抵当権設定登記抹消登記手続請求事件である。原審(東京高裁)は、上告人には抵当債権(被担保債権)の消滅時効を援用する権利がないと判断した。これに対して上告がされた。
争点
- 抵当権の設定・登記がされた不動産の第三取得者は、民法145条の「当事者」として被担保債権の消滅時効を援用できるか
判旨
原判決を破棄し、東京高裁に差し戻した。
- 規範:民法145条により消滅時効を援用できる者は、権利の消滅により直接利益を受ける者に限られる(最判昭和42年10月27日参照)。
- あてはめ:抵当権が設定され、その登記がある不動産の譲渡を受けた第三者は、被担保債権が消滅すれば抵当権の消滅を主張できる関係にある。したがって、抵当債権の消滅により直接利益を受ける者にあたり、被担保債権の消滅時効を援用できる。
- 判例変更:これと異なる大審院明治43年1月25日判決は変更された。
本件の上告人は、抵当権設定登記後に代物弁済で所有権を取得した者であるから、援用権者にあたる。援用権を否定した原判決には、民法145条の解釈適用の誤りがある。
判決文から
「民法一四五条の規定により消滅時効を援用しうる者は、権利の消滅により直接利益を受ける者に限定されると解すべきである」
援用権者の範囲の一般的基準(直接利益基準)
「抵当権が設定され、かつその登記の存する不動産の譲渡を受けた第三者は、当該抵当権の被担保債権が消滅すれば抵当権の消滅を主張しうる関係にあるから、抵当債権の消滅により直接利益を受ける者にあたると解するのが相当であり」
第三取得者が直接利益を受ける者にあたる理由
「これと見解を異にする大審院明治四二年(オ)第三七九号同四三年一月二五日判決・民録一六輯一巻二二頁の判例は変更すべきものである」
第三取得者の援用を否定した大審院判例の変更
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
