倉吉事件
最判昭和48年10月18日
土地収用法上の損失補償は、収用の前後で財産価値を等しくする完全な補償を要し、建築制限のない状態の価格で算定するとした判例
行政法経済的自由(職業選択・財産権)損失補償本試験で 6 問(短答 5・論文 1)
出題:司法H23・司法H24・司法R3・予備H29・予備R3
解説
事案
土地収用法に基づく収用で、被収用者に支払う損失補償の額が争われた事案である。収用対象の土地には建築制限が課されていた。そのため、補償額を制限を前提とした(下落した)価格で算定するのか、制限のない状態の価格で算定するのかが問題となった。本判決は最高裁第一小法廷の判決(民集27巻登載)であり、大法廷判決ではない。
争点
- 土地収用法上の損失補償は、どの程度の補償を要するか(完全補償か相当補償か)
- 建築制限が課された土地を収用する場合、補償額を制限のある状態とない状態のどちらの価格で算定すべきか
判旨
結論:土地収用法上の損失補償は完全な補償でなければならない。建築制限が課された土地の補償額は、建築制限のない状態の価格で算定する。
規範(答案用):
- 土地収用法における損失補償は完全な補償、すなわち収用の前後を通じて被収用者の財産価値を等しくならしめるような補償を要する。
- 収用対象地に建築制限が課されている場合でも、補償額は建築制限のない状態を前提とした価格で算定すべきである。
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