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最判昭和47年9月7日

詐欺により売買契約が取り消された場合、当事者双方の原状回復義務は民法533条の類推適用により同時履行の関係に立つ。

民法契約総論(成立・解除・危険負担)民法総則(権利能力・行為能力)無効・取消し・条件期限本試験で 3 問(短答 3・論文 0)

出題:司法H24・司法R2・司法R5

裁判所
最高裁判所第一小法廷
事件番号
昭和46(オ)1127 登記抹消手続等本訴請求、所有権移転登記手続等反訴請求
裁判
判決・棄却
判例集
民集 第26巻7号1327頁
参照法条
民法96条,民法121条,民法533条,民法546条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

売買契約が詐欺を理由として取り消された場合における当事者双方の原状回復義務と同時履行

裁判要旨

売買契約が詐欺を理由として取り消された場合における当事者双方の原状回復義務は、同時履行の関係にあると解するのが相当である。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

売主X(上告人)は、代理人Dを介して、買主Y(被上告人)に本件土地を代金850万円で売り渡した。Dは「土地を売って代金を金融に回し、利息で暮らした方がよい」とXに申し向けた。しかしDの真意は、代金のうち少なくとも250万円を自己のYに対する借金の返済に充てることにあった。Xはこれを知らずに誤信して契約を締結した。Yは、遅くとも契約締結までに、XがDに欺かれて売り渡すことを「それとなく知つた」のに、あえて契約を締結した。

Yは代金の内金100万円をDに支払った。土地(一)にはYのため仮登記仮処分に基づく所有権移転仮登記がされた。土地(二)には、登記名義人EからYへ中間省略で所有権移転登記がされた。その後、騙されたことを知ったXは、詐欺を理由に売買契約を取り消す旨の意思表示をした。

Xは登記抹消等を求めて本訴を提起し、Yは所有権移転登記手続等を求めて反訴を提起した。原審は、Yの登記義務をXの100万円支払との引換給付とした。Xが上告した。

争点

  • 詐欺取消し後の当事者双方の原状回復義務(登記抹消・移転登記義務と代金返還義務)は同時履行の関係に立つか
  • 代理人Dへの100万円の交付は不法原因給付(ないしこれに類似する行為)にあたるか
  • Yの100万円返還請求権の行使は権利濫用にあたるか

判旨

上告棄却。

  • 売買契約が詐欺を理由として有効に取り消された場合、双方が原状回復義務を負う。買主Yは、土地(一)の仮登記の抹消登記手続と、土地(二)の売主Xへの所有権移転登記手続をする義務を負う。売主Xは、受領した100万円の返還義務を負う。
  • 規範:売買契約が詐欺を理由として取り消された場合の当事者双方の原状回復義務は、民法533条の類推適用により同時履行の関係にある。
  • したがって、YはXから100万円の支払を受けるのと引換えに各登記手続をなすべき義務がある(引換給付)とした原審は正当である。
  • 本件事実関係の下では、YのDに対する100万円の交付は不法原因給付ないしこれに類似した行為とはいえない。Yの返還請求権の行使も権利濫用にあたらない。

判決文から

「上告人、被上告人の右各義務は、民法五三三条の類推適用により同時履行の関係にあると解すべきであつて」

直接適用でなく533条の「類推適用」とした核心部分

「被上告人は、上告人から一〇〇万円の支払を受けるのと引き換えに右各登記手続をなすべき義務があるとした原審の判断は、正当としてこれを是認することができる。」

結論が引換給付判決になることを示す

「被上告人のDに対する右一〇〇万円の交付をもつて不法原因給付ないしこれに類似した行為ということはできず」

詐欺を知る買主の返還請求も708条で封じられない

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。