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最判昭和47年6月2日

権利能力なき社団の不動産は代表者個人名義で登記するほかなく、代表者が交代すれば新代表者は旧代表者に移転登記を請求できる

民事訴訟法当事者・当事者能力伝聞例外複数請求訴訟・共同訴訟本試験で 6 問(短答 6・論文 0)

出題:予備H23・予備H24・予備H27・予備H30・予備R8

裁判所
最高裁判所第二小法廷
事件番号
昭和45(オ)232 所有権移転登記請求
裁判
判決・棄却
判例集
民集 第26巻5号957頁
参照法条
民法43条,民法177条,民訴法46条,民訴法208条1項,民訴法211条,民訴法212条,民訴法384条,不動産登記法26条,不動産登記法36条,不動産登記法110条の3

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

一、権利能力なき社団の資産たる不動産についての登記方法 二、権利能力なき社団の資産たる不動産につき登記簿上所有名義人となつていた代表者が交替した場合における新代表者の旧代表者に対する登記請求権

裁判要旨

一、権利能力なき社団の資産たる不動産については、社団の代表者が、社団の構成員全員の受託者たる地位において、個人の名義で所有権の登記をすることができるにすぎず、社団を権利者とする登記をし、または、社団の代表者である旨の肩書を付した代表者個人名義の登記をすることは、許されないものと解すべきである。 二、権利能力なき社団の資産たる不動産につき、登記簿上所有名義人となつた代表者がその地位を失い、これに代わる新代表者が選任されたときは、新代表者は、旧代表者に対して、当該不動産につき自己の個人名義に所有権移転登記手続をすることを求めることができる。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

権利能力なき社団である訴外D同郷連合会の資産たる土地・建物は、当時代表者であった上告人の個人名義で登記されていた。その後、上告人に代わって連合会の代表者に就任したEが、上告人に対し所有権移転登記手続を求めて訴えを提起した。上告人は本案前の申立てとして、原告適格は民訴法46条(現29条)により連合会にあり、代表者にすぎないEにはないとして訴えの却下を求めたが、第一審はこれを退けてEの請求を認容した。控訴審係属中にEが死亡し、新たに代表者に選任された被上告人Bが訴訟を承継し、原審は控訴を棄却した。上告人は上告し、(1)原告適格の判断遺脱・理由不備と、(2)社団名義(不動産登記法36条の準用)や代表者の肩書を付した名義での登記を認めるべきことを主張した。

争点

  • 権利能力なき社団の資産たる不動産について、社団名義の登記や代表者の肩書付き登記ができるか
  • 登記名義人である代表者が交代した場合、新代表者は旧代表者に対し自己名義への移転登記を請求できるか
  • 社団と代表者個人のいずれが原告となるべきかは、当事者適格の問題か本案の問題か

判旨

上告棄却(原判決主文を更正)。

  • 権利能力なき社団の資産は構成員全員に総有的に帰属し、社団自身は私法上の権利義務の主体とならないから、社団は登記請求権を有しない。社団は登記申請人になれず、不動産登記法36条の準用もできない。
  • 社団の不動産については、代表者が構成員全員の受託者たる地位において、個人の名義で所有権の登記をすることができるにすぎない。社団を権利者とする登記も、社団代表者である旨の肩書を付した代表者個人名義の登記も許されない。
  • 登記名義人である代表者が地位を失い新代表者が選任されたときは、新代表者は、信託の受託者更迭の場合に準じ、旧代表者に対し自己の個人名義への所有権移転登記手続を求めることができる。
  • 社団と代表者のいずれが原告となるべきかは、登記請求権が誰に帰属するかという本案の問題であり、単なる訴訟追行資格の問題ではない。

判決文から

「権利能力なき社団の資産はその社団の構成員全員に総有的に帰属しているのであつて、社団自身が私法上の権利義務の主体となることはない」

総有構成。社団は登記請求権を持たないとする根拠

「代表者は、右の趣旨における受託者たるの地位において右不動産につき自己の名義をもつて登記をすることができるものと解すべきであり」

代表者個人名義の登記を信託的構成で正当化

「新代表者は、信託法の信託における受託者の更迭の場合に準じ、旧代表者に対して、当該不動産につき自己の個人名義に所有権移転登記手続をすることの協力を求め、これを訴求することができる」

新代表者の登記請求権の根拠と内容

「不動産登記法は、権利者として登記せらるべき者を実体法上権利能力を有する者に限定し、みだりに拡張を許さないものと解すべきである」

肩書付き登記も否定する理由

「登記手続請求訴訟における本案の問題にほかならず、たんなる訴訟追行の資格の問題にとどまるものではないのである。」

誰が原告かは本案(請求権の帰属)の問題とした点

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。