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最判昭和47年4月14日

袋地の所有権を取得した者は、所有権取得登記がなくても、囲繞地の所有者・利用権者に囲繞地通行権を主張できる。

民法用益物権占有権・所有権・共有本試験で 2 問(短答 2・論文 0)

出題:司法H28・司法R8

裁判所
最高裁判所第二小法廷
事件番号
昭和46(オ)630 通行権確認請求
裁判
判決・棄却
判例集
民集 第26巻3号483頁
参照法条
民法210条,民法177条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

袋地の未登記所有者と囲繞地通行権の主張

裁判要旨

袋地の所有権を取得した者は、所有権取得登記を経由していなくても、囲繞地の所有者ないし利用権者に対して、囲繞地通行権を主張することができる。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

被上告人は、(一)ないし(五)、(八)の畑を所有し、りんご樹を植栽していた。このうち(五)の畑については、所有権取得登記を経ていなかった。(八)の畑から市道に通じる通路はあったが、りんご栽培という利用方法に照らすと必要を満たさなかった。そのため、(一)ないし(五)の畑は袋地にあたるとされた。

被上告人は、上告人側の土地のうち本件土地部分について囲繞地通行権を主張した。上告人がそこに溝渠を掘ったことから、その妨害の禁止などを求めた。控訴審では予備的請求が追加されている。

原審は、被上告人の囲繞地通行権を認めた。上告人は、次のように主張して上告した。

  • (五)の畑の登記がない以上、その取得を上告人に対抗できない。
  • (五)の畑を除外すれば、本件土地部分に通行権は成立しない。

争点

  • 袋地の所有権を取得したが登記を経ていない者は、囲繞地の所有者・利用権者に囲繞地通行権(民法210条)を主張できるか(民法177条との関係)
  • 病害防止目的で掘られた溝渠でも、通行権の妨害として禁止を求めうるか
  • 囲繞地通行権の位置・範囲を判断する基準時
  • 控訴審での訴えの変更の可否

判旨

上告棄却。

規範:袋地の所有権を取得した者は、所有権取得登記を経由していなくても、囲繞地の所有者またはこれにつき利用権を有する者に対して、囲繞地通行権を主張できる。

根拠:民法209条〜238条の相隣関係規定は、隣接不動産相互の利用調整を目的とする。そのため、囲繞地通行権の主張は不動産取引の安全保護のための公示制度とは関係がない。したがって、実体上袋地の所有権を取得した者は、対抗要件なしに囲繞地所有者らに通行権を主張できる。

あわせて、次の点も判示した。

  • 溝渠が病害防止のために掘られたものでも、通行権を妨害する態様である以上、その妨害の禁止を求めることは許される。
  • 囲繞地通行権の位置・範囲は、事実審の口頭弁論終結当時の事情のもとで判断される。
  • 控訴審でも訴えの変更の要件(旧民訴法232条)を満たせば、訴えの変更ができる。

判決文から

「袋地の所有権を取得した者は、所有権取得登記を経由していなくても、囲繞地の所有者ないしこれにつき利用権を有する者に対して、囲繞地通行権を主張することができると解するのが相当である。」

本判決の規範そのもの。主張の相手方に利用権者も含む

「相隣関係にある所有権共存の一態様として、囲繞地の所有者に一定の範囲の通行受忍義務を課し、袋地の効用を完からしめようとしているためである。」

民法210条の趣旨を通行受忍義務として捉える部分

「袋地の所有者が囲繞地の所有者らに対して囲繞地通行権を主張する場合は、不動産取引の安全保護をはかるための公示制度とは関係がないと解するのが相当であり」

177条の対抗問題にならないとする核心の理由

「囲繞地通行権の認められるべき位置、範囲は、事実審の口頭弁論終結当時の事情のもとで判断されるべきものであり」

通行権の位置・範囲の判断基準時を示す

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。