最判昭和47年2月15日
相続開始後の遺言無効確認の訴えは、現在の法律関係の不存在確認と解せる場合、確認の利益があり適法とした判例
出題:司法H25・司法R7・予備R4
- 裁判所
- 最高裁判所第三小法廷
- 事件番号
- 昭和43(オ)627 遺言無効確認請求
- 裁判
- 判決・破棄差戻
- 判例集
- 民集 第26巻1号30頁
- 参照法条
- 民訴法225条,民法985条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
遺言無効確認の訴の適否
裁判要旨
遺言無効確認の訴は、その遺言が有効であるとすればそれから生ずべき現在の特定の法律関係が存在しない.ことの確認を求めるものと解される場合で、原告がかかる確認を求める法律上の利益を有するときは、適法と解すべきである。
解説
事案
Dは昭和35年9月30日、自筆証書遺言をした。Dは昭和37年2月21日に死亡し、上告人らと被上告人らが共同相続した。遺言書は同年4月2日に家庭裁判所の検認を受けている。
上告人らは、本件遺言の無効確認を求めて訴えを提起した。無効の理由として主張したのは次の2点である。
- 遺言は全財産を共同相続人の一人にのみ与えるもので、家族制度・家督相続制を廃止した憲法24条に反する。
- その一人が誰か明らかでなく、権利関係が不明確である。
被上告人ら(B1を除く)は、確認の利益を争った。あわせて、全財産の受遺者はB2であることが明らかであり、遺言は有効だと主張した。
第一審は、遺言は過去の法律行為であり、その有効無効の確認を求める訴えは確認の利益を欠くとして、訴えを却下した。原審もほぼ同じ見解で控訴を棄却した。上告人らが上告した。
争点
- 遺言無効確認の訴えは、過去の法律行為の確認を求めるものとして確認の利益(対象選択の適否)を欠き、不適法となるか
判旨
原判決破棄・第一審判決取消し・第一審へ差戻し(本件訴えは適法)。
規範は次のとおりである。
- 遺言無効確認の訴えは、形式上は過去の法律行為の確認を求めるものである。
- しかし、遺言が有効であるとすればそれから生ずべき現在の特定の法律関係が存在しないことの確認を求めるものと解される場合がある。
- その場合で、原告がその確認を求めるにつき法律上の利益を有するときは、適法として許容される。
答案では次のように書ける。「遺言無効確認の訴えは、形式上過去の法律行為の確認であるが、遺言から生ずべき現在の特定の法律関係の不存在確認を求めるものと解され、かつ原告に法律上の利益があれば、確認の利益が認められる」。
判決文から
「形式上過去の法律行為の確認を求めることとなるが」
過去の法律行為の確認という形式であることを認める出発点
「遺言が有効であるとすれば、それから生ずべき現在の特定の法律関係が存在しないことの確認を求めるものと解される場合で、原告がかかる確認を求めるにつき法律上の利益を有するときは、適法として許容されうるものと解するのが相当である。」
本判決の規範そのもの
「いかなる権利関係につき審理判断するかについて明確さを欠くことはなく」
理由①:審判対象の明確性
「端的に、当事者間の紛争の直接的な対象である基本的法律行為たる遺言の無効の当否を判示することによつて、確認訴訟のもつ紛争解決機能が果たされることが明らかだからである。」
理由②:紛争解決機能(抜本的解決)
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
