SaySayLaw

最判昭和46年6月25日

詐欺脅迫など明らかに刑事上罰すべき他人の行為による訴えの取下げは、再審事由の法意に照らし無効であり、有罪判決の確定等も要しない。

民事訴訟法訴訟行為・期日期間処分権主義訴えの提起・訴訟物本試験で 2 問(短答 2・論文 0)

出題:司法H22・予備R4

裁判所
最高裁判所第二小法廷
事件番号
昭和46(オ)243 認知請求
裁判
判決・棄却
判例集
民集 第25巻4号640頁
参照法条
民訴法236条,民訴法420条1項5号

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

刑事上罰すべき他人の行為によつてなされた訴の取下の効力

裁判要旨

詐欺脅迫等明らかに刑事上罰すべき他人の行為によつてなされた訴の取下は、民訴法四二〇条一項五号の法意に照らし、無効と解すべきである。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

認知請求訴訟で、原告側(被上告人)の法定代理人が訴えを取り下げた。しかしこの取下げは、被告(上告人)の刑事上罰すべき強要行為によってされたものであった。

原審(高松高裁)はそのように事実を認定し、本件取下げは無効であるとして、本案について審理判断をした。

これに対し上告人は、取下げの効力を否定して本案判断をした原判決の違法を主張して上告した。

争点

  • 訴訟行為である訴えの取下げについて、行為者の意思の瑕疵(詐欺・強迫等)がその効力に影響するか
  • 刑事上罰すべき他人の行為による取下げの無効を主張するには、再審の訴えと同様に、有罪判決の確定等の要件(旧民訴法420条2項・現338条2項)が必要か

判旨

上告棄却。

  • 原則:訴えの取下げは訴訟行為である。そのため、行為者の意思の瑕疵が直ちにその効力を左右するものではない。
  • 例外:詐欺脅迫等、明らかに刑事上罰すべき他人の行為によって訴えの取下げがされたときは、旧民訴法420条1項5号(現338条1項5号)の法意に照らし、その取下げは無効である。
  • 要件の緩和:この無効の主張には、確定判決に対する不服申立てである再審の訴えとは異なり、同条2項(現338条2項)の適用はない。刑事上罰すべき行為について、有罪判決の確定またはこれに準ずる要件の具備、さらには告訴の提起等も必要としない。
  • あてはめ:本件取下げは上告人の刑事上罰すべき強要行為によるものであり無効である。取下げを無効として本案判断をした原判決は正当である。

判決文から

「訴の取下は訴訟行為であるから、一般に行為者の意思の瑕疵がただちにその効力を左右するものではないが、詐欺脅迫等明らかに刑事上罰すべき他人の行為により訴の取下がなされるにいたつたときは」

原則(意思の瑕疵は影響せず)と例外の枠組み

「民訴法四二〇条一項五号の法意に照らし、その取下は無効と解すべきであり」

無効の根拠を再審事由の法意に求めた点

「右無効の主張については、いつたん確定した判決に対する不服の申立である再審の訴を提起する場合とは異なり、同条二項の適用はなく」

再審との違いを理由に2項要件を排除

「必ずしも右刑事上罰すべき他人の行為につき、有罪判決の確定ないしこれに準ずべき要件の具備、または告訴の提起等を必要としないものと解するのが相当である。」

有罪判決確定・告訴いずれも不要と明示

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。