最判昭和46年12月9日
隣接地の一方または双方が共有である場合の境界確定の訴えは、共有者全員を当事者とすべき固有必要的共同訴訟とした判例
出題:予備R3・予備R7
- 裁判所
- 最高裁判所第一小法廷
- 事件番号
- 昭和44(オ)279 境界確認請求
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 民集 第25巻9号1457頁
- 参照法条
- 民訴法62条,民法223条,民法251条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
共有地についての境界確定の訴と固有必要的共同訴訟
裁判要旨
隣接する土地の一方または双方が共有に属する場合の境界確定の訴は、固有必要的共同訴訟と解すべきである。
解説
事案
上告人らは、福島県相馬市所在の山林(以下「甲地」)と、これに隣接する被上告人所有の山林との境界の確定を求めて訴えを提起した。
- 甲地は、上告人らのほか訴外Eほか1名との共有に属していた。
- 共有者のうち一部の者は訴訟の当事者となっていなかった。
原審(仙台高裁)は、共有者全員が当事者となっていない以上、訴えは当事者適格を欠き不適法であるとして、訴えを却下した。
上告人らは上告した。上告理由では、境界確定訴訟が固有必要的共同訴訟であることを争った。あわせて、訴訟告知を受けた者が当事者または補助参加人になるという趣旨の主張もした。
争点
- 隣接する土地の一方または双方が共有に属する場合、境界確定の訴えは固有必要的共同訴訟か
- 共有者の一部が当事者となっていない境界確定の訴えは適法か
- 訴訟告知を受けた者は、告知によって当然に当事者または補助参加人となるか
判旨
上告棄却(訴え却下の原判決を維持)。
規範:土地の境界は、土地の所有権と密接な関係を有する。また、隣接する土地の所有者全員について合一に確定すべきものである。したがって、隣接する土地の一方または双方が数名の共有に属する場合の境界確定の訴えは、共有者全員が共同してのみ訴え、または訴えられることを要する固有必要的共同訴訟である。
あてはめ:甲地の共有者のうち当事者となっていない者がいることは記録上明らかである。よって、上告人らの訴えは当事者適格を欠く不適法なものであり、却下を免れない。
付随判断:訴訟告知を受けた者は、告知によって当然に当事者または補助参加人となるものではない。
判決文から
「土地の境界は、土地の所有権と密接な関係を有するものであり、かつ、隣接する土地の所有者全員について合一に確定すべきものであるから」
固有必要的共同訴訟とする2つの理由づけ
「境界の確定を求める訴は、隣接する土地の一方または双方が数名の共有に属する場合には、共有者全員が共同してのみ訴えまたは訴えられることを要する固有必要的共同訴訟と解するのが相当である。」
本判決の中心規範。原告側・被告側の双方に及ぶ
「上告人らの本件訴は当事者適格を欠く不適法なものといわなければならない。」
共有者の欠落は当事者適格の欠缺として訴え却下
「訴訟告知を受けた者は、告知によつて当然当事者または補助参加人となるものではない。」
訴訟告知の効果に関する付随判断
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