最判昭和46年10月7日
共有者全員が共有権に基づき確認・移転登記を求める訴えは固有必要的共同訴訟であり、一人の取下げは効力を生じない
出題:司法H23・予備R3
- 裁判所
- 最高裁判所第一小法廷
- 事件番号
- 昭和42(オ)535 土地所有権確認等請求
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 民集 第25巻7号885頁
- 参照法条
- 民訴法62条,民法249条,民法251条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
一、共有者全員が提起した共有権確認訴訟と固有必要的共同訴訟 二、共有者全員が提起した共有権に基づく所有権移転登記手続請求訴訟と固有必要的共同訴訟
裁判要旨
一、一個の物を共有する数名の者全員が、共同原告となり、共有権(その数名が共同して有する一個の所有権)に基づき共有権の確認を求めているときは、その訴訟の形態は、固有必要的共同訴訟と解すべきである。 二、一個の不動産を共有する数名の者全員が、共同原告となり、共有権(その数名が共同して有する一個の所有権)に基づき所有権移転登記手続を求めているときは、その訴訟の形態は、固有必要的共同訴訟と解すべきである。
解説
事案
被上告人ら2名は、本件土地を訴外Dから共同で買い受けて所有権を取得した。ところが、都合により上告人名義で所有権移転登記を経由していた。被上告人らは、その登記は実体関係に合致しないとして、上告人に対し次の2つを求めて訴えを提起した。
- 本件土地の共有権の確認
- 登記の抹消登記手続に代わる所有権移転登記手続
第一審の係属中、被上告人の一人Bが訴えを取り下げる旨の書面を提出し、上告人もその取下げに同意する書面を提出した。原審はこの取下げを無効と判断した。
上告人は、本件は通常共同訴訟であり、Bの取下げによってBと上告人間の訴訟は終了したとして、民訴法(旧)62条の解釈適用の誤りを主張し上告した。
争点
- 共有者全員が共同原告となって共有権(数人が共同して有する一個の所有権)の確認を求める訴えは、固有必要的共同訴訟か
- 共有者全員が共有権に基づき所有権移転登記手続(真正な登記名義の回復目的を含む)を求める訴えは、固有必要的共同訴訟か
- 固有必要的共同訴訟の係属中にされた共同原告の一人の訴えの取下げ(相手方同意あり)の効力
判旨
上告棄却。
- 規範1:一個の物を共有する数名の者全員が共同原告となり、共有権(数人が共同して有する一個の所有権)に基づき、その共有権を争う第三者を相手方として共有権の確認を求める訴えは、固有必要的共同訴訟である。
- 規範2:一個の不動産の共有者全員が共同原告となり、共有権に基づき所有権移転登記手続を求める訴えも、固有必要的共同訴訟である。移転登記請求が真正な所有名義の回復の目的に出たものであっても同じである。
- 結論:このような訴訟の係属中に共同原告の一人が訴えを取り下げても、その取下げは効力を生じない。相手方の同意があっても同様である。
判決文から
「一個の物を共有する数名の者全員が、共同原告となり、いわゆる共有権(数人が共同して有する一個の所有権)に基づき、その共有権を争う第三者を相手方として、共有権の確認を求めているときは、その訴訟の形態はいわゆる固有必要的共同訴訟と解するのが相当である」
共有権確認が固有必要的共同訴訟となるという中心規範
「共有者全員の有する一個の所有権そのものが紛争の対象となつているのであつて、共有者全員が共同して訴訟追行権を有し」
訴訟追行権が全員に共同して帰属するという理由づけ
「その移転登記請求が真正な所有名義の回復の目的に出たものであつたとしても、その理は異ならない」
真正名義回復目的の移転登記請求にも及ぶこと
「このような訴訟の係属中に共同原告の一人が訴の取下げをしても、その取下げは効力を生じないものというべきである」
固有必要的共同訴訟での一部取下げの効力を否定
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
