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最判昭和46年10月14日

対抗要件を備えた土地賃借権は、その後に抵当権が設定されていれば、所有権と混同しても179条1項ただし書の準用により消滅しない

民法債権の目的・効力物権総論・物権変動弁済・相殺本試験で 2 問(短答 2・論文 0)

出題:司法H24・司法H30

裁判所
最高裁判所第一小法廷
事件番号
昭和46(オ)582 建物収去土地明渡請求
裁判
判決・棄却
判例集
民集 第25巻7号933頁
参照法条
民法179条1項,民法520条,民法601条,民法605条,建物保護に関する法律1条,民訴法643条1項,民訴法643条3項,民訴法658条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

一、競売期日の公告に記載されなかつた賃借権とその対抗力 二、執行裁判所の取調に対して申出のなかつた賃借権とその効力 三、土地の所有権と賃借権とが混同しても賃借権が消滅しない場合

裁判要旨

一、建物保護に関する法律一条による対抗要件を具備した土地の賃借権は、競売期日の公告に記載されなかつたとしても、その対抗力が消滅するものではない。 二、執行裁判所の取調に対して土地の賃借権者が賃借権の申出をしなかつたとしても、その賃借権の効力に影響を及ぼすものではない。 三、特定の土地につき所有権と賃借権とが同一人に帰属するに至つた場合であつても、その賃借権が対抗要件を具備したものであり、かつ、その対抗要件を具備したのちに右土地に抵当権が設定されていたときは、民法一七九条一項但書の準用により、賃借権は消滅しないものと解すべきであり、このことは、賃借権の対抗要件が建物保護に関する法律一条によるものであるときでも同様である。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

建物収去土地明渡請求事件である。土地の賃借権は、建物保護に関する法律1条により対抗要件を備えていた(借地上の建物の登記。現在の借地借家法10条1項に当たる)。その後、この土地に抵当権が設定された。さらにその後、土地の所有権と賃借権が同一人に帰属した。土地については競売手続が行われたが、競売期日の公告にはこの賃借権が記載されていなかった。また、賃借権者は執行裁判所の取調べに対して賃借権の申出をしていなかった。

上告人は、次の2点を理由に賃借権の存続を争った。

  • 所有権と賃借権の混同によって賃借権は消滅した。
  • 競売公告に記載がなく、申出もなかった以上、賃借権は対抗力・効力を失った。

原審は賃借権の存続を認め、上告人が上告した。

争点

  • 土地の所有権と賃借権が同一人に帰属した場合、混同により賃借権は消滅するか(民法179条1項ただし書の準用の可否)
  • 賃借権の対抗要件が建物保護法1条(借地上建物の登記)によるものでも同様に解されるか
  • 競売期日の公告に記載されなかった賃借権の対抗力は消滅するか
  • 執行裁判所の取調べに対して賃借権の申出をしなかった場合、賃借権の効力に影響するか

判旨

上告棄却(賃借権は存続する)。

規範(混同)

  • 土地の所有権と賃借権が同一人に帰属した場合でも、次の2つを満たすときは、民法179条1項ただし書の準用により賃借権は消滅しない。
  • その賃借権が対抗要件を具備していること
  • 対抗要件具備の後にその土地に抵当権が設定されていたこと
  • 対抗要件が建物保護法1条(建物登記)によるものでも同様である。

規範(競売手続)

  • 建物保護法1条により対抗要件を具備した土地賃借権は、競売期日の公告に記載がなくても対抗力を失わない。
  • 執行裁判所の取調べに対して賃借権者が申出をしなかったとしても、それが直ちに賃借権の効力に影響することはない。

判決文から

「その賃借権が対抗要件を具備したものであり、かつ、その対抗要件を具備した後に右土地に抵当権が設定されていたときは、民法一七九条一項但書の準用により、賃借権は消滅しないものと解すべきである。」

混同の例外の要件と「準用」構成

「これは、右賃借権の対抗要件が建物保護に関する法律一条によるものであるときであつても同様である。」

建物登記による対抗要件でも同じ

「建物保護に関する法律一条による対抗要件を具備した土地の賃借権は、競売期日の公告に記載がなくても、その対抗力が消滅するものではない。」

公告への不記載は対抗力に影響しない

「執行裁判所の取調に対して土地の賃借権者が賃借権の申出をしなかつたとしても、それが直ちにその賃借権の効力に影響を及ぼすものではない。」

申出がなくても賃借権の効力は残る

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。