喫煙禁止事件(未決拘禁者喫煙禁止事件)
未決勾留者の喫煙を禁止する監獄法施行規則96条を、利益較量により必要かつ合理的な制限として合憲とした
出題:司法H22・司法H23・司法R2・司法R3・予備R6
- 裁判所
- 最高裁判所大法廷
- 事件番号
- 昭和40(オ)1425 国家賠償請求
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 民集 第24巻10号1410頁
- 参照法条
- 憲法13条,監獄法施行規則96条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
監獄法施行規則九六条中未決勾留により拘禁された者に対し喫煙を禁止する規定と憲法一三条
裁判要旨
監獄法施行規則九六条中未決勾留により拘禁された者に対し喫煙を禁止する規定は、憲法一三条に違反しない。
解説
事案
監獄法施行規則96条は、在監者の喫煙を禁止していた。この規定は、未決勾留により拘禁された者にも適用される。この喫煙禁止の違憲性を前提に、国家賠償請求訴訟が提起された。原審は高松高等裁判所である。
上告理由は、同条が未決勾留により拘禁された者の自由および幸福追求についての基本的人権を侵害し、憲法13条に違反するというものであった。
原判決(その引用する第一審判決を含む)は、次の事実を確定していた。
- 監獄の現在の施設および管理態勢のもとでは、喫煙に伴う火気の使用により火災が発生するおそれが少なくない。
- 喫煙の自由を認めると、通謀のおそれがあり、監獄内の秩序の維持にも支障をきたす。
最高裁大法廷は、裁判官全員一致で上告を棄却した。
争点
- 未決勾留により拘禁された者に対し、身体の自由以外の自由にも制限を加えることが許されるか、その判断枠組み
- 喫煙の自由は憲法13条で保障されるか
- 監獄法施行規則96条中、未決勾留者に対し喫煙を禁止する規定は憲法13条に違反するか
判旨
結論:監獄法施行規則96条中、未決勾留により拘禁された者に対し喫煙を禁止する規定は、憲法13条に違反しない。
規範
- 未決勾留は、刑事訴訟法に基づき、逃走または罪証隠滅の防止を目的として、被疑者・被告人の居住を監獄内に限定するものである。
- 監獄内では、多数の被拘禁者を集団として管理するため、秩序を維持し正常な状態を保持する必要がある。
- そのため、身体の自由の拘束にとどまらず、上記目的に照らして必要な限度において、その他の自由にも合理的制限を加えることはやむをえない。
- 制限が必要かつ合理的かは、①制限の必要性の程度、②制限される基本的人権の内容、③これに加えられる具体的制限の態様、の較量によって決する。
あてはめ:喫煙の自由は、13条の保障する基本的人権の一つに含まれるとしても、あらゆる時・所で保障されるものではない。拘禁の目的、制限される人権の内容、制限の必要性等を総合考察すると、喫煙禁止程度の制限は必要かつ合理的である。
判決文から
「被拘禁者の身体の自由を拘束するだけでなく、右の目的に照らし、必要な限度において、被拘禁者のその他の自由に対し、合理的制限を加えることもやむをえないところである。」
拘禁目的から他の自由の制限も許容する前提
「右の制限が必要かつ合理的なものであるかどうかは、制限の必要性の程度と制限される基本的人権の内容、これに加えられる具体的制限の態様との較量のうえに立つて決せられるべきものというべきである。」
答案に書く利益較量の判断基準
「煙草は生活必需品とまでは断じがたく、ある程度普及率の高い嗜好品にすぎず」
制限される権利の重要性を低く評価した部分
「喫煙の自由は、憲法一三条の保障する基本的人権の一に含まれるとしても、あらゆる時、所において保障されなければならないものではない。」
13条の保障を仮定的に述べる点が頻出
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
