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ダンプカー事件

最決昭和45年7月28日

強姦目的で被害者をダンプカーの運転席に引きずり込もうとした時点で、強姦罪の実行の着手を認めた事例

刑法未遂・中止犯・不能犯代理本試験で 5 問(短答 5・論文 0)

出題:司法H24・司法H26・司法H29・司法R2・予備H29

裁判所
最高裁判所第三小法廷
事件番号
昭和45(あ)619 強姦致傷
裁判
決定・棄却
判例集
刑集 第24巻7号585頁
参照法条
刑法43条,刑法177条,刑法179条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

自動車により婦女を他所へ連行したうえ強姦した場合につき婦女を自動車内に引きずり込もうとした時点において強姦罪の実行の着手があるとされた事例

裁判要旨

被告人が、外一名と共謀のうえ、夜間一人で道路を通行中の婦女を強姦しようと企て、共犯者とともに、必死に抵抗する同女を被告人運転のダンプカーの運転席に引きずり込み、発進して同所から約五、八〇〇メートル離れた場所に至り、運転席内でこもごも同女を強姦した本件事実関係(判文参照)のもとにおいては、被告人が同女をダンプカーの運転席に引きずり込もうとした時点において強姦罪の実行の着手があつたものと解するのが相当である。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

被告人は、昭和43年1月26日午後7時30分頃、友人Aをダンプカーに同乗させ、情交目的で女性を物色しながら防府市内を走行していた。一人で通行中のB(当時23歳)に「車に乗せてやろう。」等と声をかけ、約100m尾行したが相手にされなかった。いら立ったAが下車してBに近づくと、被告人は付近の空地に車をとめて待ち受けた。AがBを背後から抱きすくめて助手席前まで連行して来た時点で、被告人はAの強姦意思を察知し、Aと強姦の意思を通じた。そのうえで、必死に抵抗するBをAとともに運転席に引きずり込み、発進した。約5000m西方の佐波川大橋の北方約800mの護岸工事現場に至り、運転席内でBの反抗を抑圧して、A、被告人の順に姦淫した。運転席に引きずり込む際の暴行により、Bは全治約10日間の左膝蓋部打撲症等の傷害を負った。

争点

  • 姦淫場所から離れた地点で被害者を自動車に引きずり込もうとした時点で、強姦罪の実行の着手(刑法43条)が認められるか
  • 着手時点の暴行(引きずり込む際の暴行)から生じた傷害について、強姦致傷罪が成立するか
  • 全治約10日間の打撲症等が「傷害」に当たるか

判旨

上告棄却(決定)。強姦致傷罪の成立を認めた原判断を是認した。

  • 着手時期:本件の事実関係のもとでは、被告人が被害者をダンプカーの運転席に引きずり込もうとした段階で、すでに強姦に至る客観的な危険性が明らかに認められる。したがって、その時点で強姦行為の着手がある。
  • 傷害:被害者に負わせた打撲症等は、傷害に当たることが明らかである。
  • 答案用の規範:強姦(現行法では不同意性交等)の実行の着手は、姦淫に至る客観的な危険性が明らかに認められる時点で認められる。姦淫行為そのものや、姦淫場所での暴行・脅迫の開始を待つ必要はない。

判決文から

「被告人が同女をダンプカーの運転席に引きずり込もうとした段階においてすでに強姦に至る客観的な危険性が明らかに認められるから、その時点において強姦行為の着手があつたと解するのが相当であり」

着手時期を客観的危険性で判断した核心部分

「Bに負わせた右打撲症等は、傷害に該当すること明らかであつて」

引きずり込む際の傷害で致傷罪を肯定

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。