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最判昭和45年3月26日

表意者が錯誤を認めていれば、債権保全の必要がある債権者は錯誤無効を主張し、代金返還請求権を代位行使できる

民法証拠総論・自由心証主義詐欺・恐喝罪意思表示本試験で 7 問(短答 7・論文 0)

出題:司法H24・司法H25・司法H26・司法H27・司法H30・予備H26・予備R5

裁判所
最高裁判所第一小法廷
事件番号
昭和43(オ)27 油絵代金返還請求
裁判
判決・棄却
判例集
民集 第24巻3号151頁
参照法条
民法95条,民法423条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

要素の錯誤による意思表示の無効を第三者が主張することが許される場合

裁判要旨

第三者が表意者に対する債権を保全する必要がある場合において、表意者がその意思表示の要素に関し錯誤のあることを認めているときは、表意者みずからは該意思表示の無効を主張する意思がなくても、右第三者は、右意思表示の無効を主張して、その結果生ずる表意者の債権を代位行使することが許される。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

Dは、上告人から油絵2点を買い受けた。その際Dは、上告人に対し、真作に間違いないかを特に確かめた。上告人が真作であることを保証する言動を示したため、Dはこれを信じて買い受けた。しかし、2点はいずれも贋作であった。

原審は次のように判断した。

  • 本件売買では、油絵が真作であることが意思表示の要素とされていた。
  • Dの意思表示には要素の錯誤があり、売買契約は無効である。
  • Dに重大な過失はない。
  • 上告人はDに対し、売買代金38万円を返還する義務を負う。

被上告人は、Dに対して売買代金返還請求権を有していた。被上告人は、この債権を保全するため、Dの意思表示の錯誤無効を主張し、Dが上告人に対して有する売買代金返還請求権を代位行使した。原審はこれを認めた。

D自身は、意思表示に瑕疵があったことを認めていた。上告人が上告した。

争点

  • 要素の錯誤による意思表示の無効を、表意者以外の第三者が主張できるか(平成29年改正前民法95条)
  • 表意者自身に無効を主張する意思がない場合でも、債権者が錯誤無効を主張し、その結果生じる表意者の債権を代位行使(民法423条)できるか

判旨

上告棄却。被上告人による錯誤無効の主張と、代金返還請求権の代位行使を認めた。

規範

  • 原則:表意者自身が意思表示に瑕疵を認めず、錯誤を理由に無効を主張する意思がないときは、第三者は意思表示の無効を主張できない(最判昭和40年9月10日参照)。
  • 例外:次の2要件を満たせば、表意者自身に無効を主張する意思がなくても、第三者たる債権者は錯誤による無効を主張できる。
  • (1) 第三者において、表意者に対する債権を保全する必要があること
  • (2) 表意者が意思表示の瑕疵(錯誤)を認めていること

あてはめ

  • 被上告人は、Dに対する売買代金返還請求権を保全するため、Dの錯誤無効を主張し、Dの上告人に対する代金返還請求権を代位行使している。
  • D自身も、意思表示に瑕疵があったことを認めている。
  • したがって、Dに無効主張の意思があるか否かにかかわらず、被上告人は無効を主張できる。

判決文から

「表意者自身において、その意思表示に瑕疵を認めず、錯誤を理由として意思表示の無効を主張する意思がないときは、原則として、第三者が右意思表示の無効を主張することは許されないものであるが」

第三者による錯誤無効主張は原則不可という前提

「表意者が意思表示の瑕疵を認めているときは、表意者みずからは当該意思表示の無効を主張する意思がなくても、第三者たる債権者は表意者の意思表示の錯誤による無効を主張することが許される」

例外の要件(債権保全の必要+瑕疵の自認)

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。