最決昭和45年12月22日
ひったくりで被害者が離さないため、さげ紐をつかんだまま自動車で引きずって負傷させた行為に強盗致傷罪の成立を認めた事例
出題:司法H25・司法H27・司法H28・予備H25
- 裁判所
- 最高裁判所第三小法廷
- 事件番号
- 昭和45(あ)1404 強盗致傷、窃盗、同未遂
- 裁判
- 決定・棄却
- 判例集
- 刑集 第24巻13号1882頁
- 参照法条
- 刑法240条前段
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
強盗致傷罪が成立するとされた事例
裁判要旨
夜間人通りの少ない場所で、通行中の女性の所持しているハンドバツクを窃取する目的をもつて、自動車を運転して同女に近づき、自動車の窓からハンドバツクのさげ紐をつかんで引つぱつたが、同女がこれを奪われまいとして離さなかつたため、さらに奪取の目的を達成しようとして、右さげ紐をつかんだまま自動車を進行させ、同女を引きずつて路上に転倒させたり、車体に接触させたり、あるいは道路脇の電柱に衝突させたりして、傷害を負わせたときは、強盗致傷罪が成立する。
解説
事案
被告人は、夜間、人通りの少ない場所で、通行中の女性が持っているハンドバッグを盗む目的で、自動車を運転して女性に近づいた。そして車の窓からハンドバッグのさげ紐をつかんで引っ張った。
女性は奪われまいとしてハンドバッグを離さなかった。そこで被告人は、なお奪取の目的を達しようとして、さげ紐をつかんだまま自動車を進行させた。これにより女性を引きずって路上に転倒させ、車体に接触させ、あるいは道路脇の電柱に衝突させるなどして、傷害を負わせた。
第一審・原審は、被告人の第一審判決判示第四、第八および第一五の各行為をいずれも強盗致傷罪(刑法240条前段)にあたるとした。被告人側が上告した。
争点
- 窃盗(ひったくり)目的で始めた行為が、被害者の抵抗を受けて暴行に発展した場合に強盗罪(刑法236条1項)の暴行にあたるか
- その暴行により被害者が負傷した場合に強盗致傷罪(刑法240条前段)が成立するか
判旨
上告棄却。最高裁は、事実審の確定した事実関係の下では、各行為が強盗致傷罪にあたるとした原判断は正当であるとした。
裁判要旨の内容は次のとおりである。
- 当初はハンドバッグを窃取する目的でさげ紐を引っ張った。
- 被害者が離さないため、さらに奪取の目的を達しようとして、さげ紐をつかんだまま自動車を進行させた。
- 被害者を引きずって転倒させ、車体に接触させ、電柱に衝突させるなどして傷害を負わせた。
このような場合には強盗致傷罪が成立する。
答案上の規範は次の形でまとめられる。財物奪取の目的で、被害者の抵抗を排除するために反抗を抑圧するに足りる程度の暴行を加えた場合には、当初窃盗目的であっても強盗罪の暴行にあたり、これにより傷害を生じさせれば強盗致傷罪が成立する。
判決文から
「事実審の確定した事実関係の下において、被告人の第一審判決判示第四、第八および第一五の各行為がいずれも強盗致傷罪にあたる旨の原判断は正当である。」
本決定が強盗致傷の成立を是認した唯一の判示部分
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
