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最判昭和45年12月15日

会社の訴訟上の代表者は実体法上の代表権で決まり、表見規定は適用されない。代表権の欠缺を見落とした一審判決は差し戻して補正を命じさせる。

商法取締役・取締役会・代表取締役訴訟代理当事者・当事者能力本試験で 2 問(短答 1・論文 1)

出題:司法H26・予備H26

裁判所
最高裁判所第三小法廷
事件番号
昭和45(オ)112 売買代金請求
裁判
判決・破棄差戻
判例集
民集 第24巻13号2072頁
参照法条
民訴法58条,民訴法45条,民訴法388条,民訴法389条,民法109条,商法262条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

一、会社の訴訟上の代表者の確定と民法一〇九条、商法二六二条の適用の有無 二、控訴裁判所が被告会社代表者の代表権限の欠缺を看過してなされた第一審判決を取り消す場合の措置

裁判要旨

一、民法一〇九条、商法二六二条は、会社を訴訟上代表する権限を有する者を定めるにあたつては、適用されない。 二、控訴裁判所が被告会社代表者の代表権限の欠缺を看過してなされた第一審判決を取り消す場合には、原告に対し訴状の補正を命じさせるため、事件を第一審裁判所に差し戻すべきであり、ただちに訴を不適法として却下すべきではない。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

Xは、Y会社を被告として売買代金の支払を求めて訴えを提起した。Y会社の登記簿上の代表取締役であるDをY会社の代表者として表示し、訴状もDに宛てて送達された。

  • 第一審はXの請求を認容した。
  • 原審(東京高裁)は次の事実を認定した。臨時社員総会議事録等には、旧取締役が辞任し、Dらが取締役に選任されて就任を承諾し、取締役の互選でDが代表取締役に選任された旨の記載があった。しかしDは、当時他所で自動車運転手として勤務しており、総会に出席したことも、取締役・代表取締役への就任を承諾したこともなかった。事後に承諾を求められたが、拒絶していた。
  • 原審は、DはY会社の代表者の資格を有しないから本件訴えは不適法であるとして、第一審判決を取り消し、訴えを却下した。

Xは上告し、民法109条・旧商法262条(表見代表取締役)によりDの代表権を肯定すべきだと主張した。

争点

  • 訴訟上会社を代表する者を定めるにあたり、民法109条・旧商法262条(現会社法354条)が適用されるか
  • 被告会社代表者の代表権の欠缺を看過した第一審判決を控訴審が取り消す場合、直ちに訴えを却下すべきか、第一審に差し戻すべきか

判旨

破棄・第一審判決取消し・第一審へ差戻し。

  • 規範1:民法109条・旧商法262条は、取引の相手方を保護し取引の安全を図る規定である。したがって、取引行為と異なる訴訟手続において会社を代表する権限を有する者を定めるにあたっては適用されない。実体法上代表権のない者を会社の代表者として提起された訴えは不適法である。
  • 規範2:代表権のない者に宛てた送達は、適式な訴状送達の効果を生じない。裁判所は、原告に訴状の補正を命じ、真正な代表者がいなければ申立てにより特別代理人を選任するなどして、正当な権限者にあらためて送達しなければならない。原告が補正しない場合にはじめて訴えを却下できる。
  • 規範3:補正命令は事柄の性質上、第一審裁判所が行うべきものである。控訴審は第一審判決を取り消して第一審に差し戻すべきで、直ちに訴えを却下してはならない。

判決文から

「民法一〇九条および商法二六二条の規定は、いずれも取引の相手方を保護し、取引の安全を図るために設けられた規定であるから、取引行為と異なる訴訟手続において会社を代表する権限を有する者を定めるにあたつては適用されないものと解するを相当とする。」

表見規定の訴訟への不適用という中心規範

「代表権のない者に宛てた送達をもつてしては、適式を訴状送達の効果を生じないものというべきである。」

訴状送達の瑕疵という手続上の位置づけ

「上告人において右のような補正手続をとらない場合にはじめて裁判所は上告人の訴を却下すべきものである。」

即時却下を否定し補正を先行させる

「右補正命令の手続は、事柄の性質上第一審裁判所においてこれをなすべきものと解すべきであるから」

差戻しを要する理由

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。