最大判昭和45年11月11日
民法上の組合の業務執行組合員による任意的訴訟担当を認め、選定当事者以外の任意的訴訟担当の許容要件を示した大法廷判決
出題:司法H24・司法R6・予備R5・予備R7
- 裁判所
- 最高裁判所大法廷
- 事件番号
- 昭和42(オ)1032 立替金請求
- 裁判
- 判決・破棄差戻
- 判例集
- 民集 第24巻12号1854頁
- 参照法条
- 民訴法45条,民法670条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
民法上の組合の業務執行組合員に対する組合員の任意的訴訟信託の許否
裁判要旨
民法上の組合において、組合規約に基づき、自己の名で組合財産を管理し、対外的業務を執行し、訴訟を追行する権限を与えられた業務執行組合員は、組合財産に関する訴訟につき、組合員から任意的訴訟信託を受けたものであり、自己の名で訴訟を追行することが許される。
解説
事案
「互」D共同企業体は、和歌山県知事が発注した七・一八水害復旧建設工事の請負と、これに付帯する事業を共同で営むことを目的として、上告人ほか4名の構成員で組織された民法上の組合である。規約上、代表者である上告人には次の権限が定められていた。
- 企業体を代表して発注者・監督官庁等の第三者と折衝する権限
- 自己の名義で請負代金を請求・受領し、企業体の財産を管理する権限
被上告人が企業体との請負契約を解除したため、上告人は、企業体が被った損害の賠償を自ら原告として請求した。
原審は、上告人に実体上の管理権限とともに訴訟追行権も与えられた任意的訴訟信託の関係にあることは認めた。しかし、民訴法(旧)47条の選定当事者のような法的規制によらない任意的訴訟信託は許されないとして、上告人の当事者適格を否定し、訴えを却下した。上告人が上告した。
争点
- 選定当事者制度(旧民訴法47条、現30条)によらない任意的訴訟担当(任意的訴訟信託)は許されるか
- 許される場合の要件は何か
- 民法上の組合の業務執行組合員は、組合財産に関する訴訟について自己の名で訴訟を追行する当事者適格を有するか
判旨
原判決を破棄し、差し戻した。
規範(任意的訴訟担当の許容要件)
- 選定当事者制度は、任意的訴訟信託が許される原則的な場合を示すにとどまる。その手続以外の任意的訴訟信託が一切許されないわけではない。
- ただし、弁護士代理の原則(現民訴法54条1項)と訴訟信託の禁止(旧信託法11条、現10条)の趣旨から、無制限には許されない。
- 許されるのは、①これらの制限を回避・潜脱するおそれがなく、かつ、②これを認める合理的必要がある場合である。
あてはめ
- 組合規約に基づき、業務執行組合員に、自己の名で組合財産を管理し、対外的業務を執行し、組合財産に関する訴訟を追行する権限が与えられている場合を検討した。
- この場合、実体上の管理権・対外的業務執行権とともに訴訟追行権が与えられており、制限の潜脱にはあたらない。
- 特段の事情のない限り、合理的必要も欠かない。
- よって、選定手続によらなくても許容され、業務執行組合員は自己の名で訴訟を追行する当事者適格を有する。
判決文から
「訴訟物である権利または法律関係について管理処分権を有する権利主体が当事者適格を有するのを原則とするのである。」
当事者適格の原則を示した部分
「同条は、任意的な訴訟信託が許容される原則的な場合を示すにとどまり、同条の手続による以外には、任意的訴訟信託は許されないと解すべきではない。」
選定当事者以外の任意的訴訟担当を認める出発点
「当該訴訟信託がこのような制限を回避、潜脱するおそれがなく、かつ、これを認める合理的必要がある場合には許容するに妨げないと解すべきである。」
答案に書く許容要件の核心
「単に訴訟追行権のみが授与されたものではなく、実体上の管理権、対外的業務執行権とともに訴訟追行権が授与されているのであるから」
潜脱のおそれがないとするあてはめの決め手
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
