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最判昭和44年6月24日

金銭債権を被保全債権として債務者の金銭債権を代位行使するときは、自己の債権額の範囲でしか行使できないとした判例

民法判決の効力・既判力責任財産の保全(詐害行為・債権者代位)上訴・再審本試験で 2 問(短答 2・論文 0)

出題:司法H27・予備H28

裁判所
最高裁判所第三小法廷
事件番号
昭和41(オ)981 売掛代金請求
裁判
判決・その他
判例集
民集 第23巻7号1079頁
参照法条
民法423条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

金銭債権について債権者代位権を行使しうる範囲

裁判要旨

債権者が債務者に対する金銭債権に基づいて債務者の第三債務者に対して有する金銭債権を代位行使する場合においては、債権者は自己の債権額の範囲においてのみ債務者の債権を行使しうると解すべきである。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

被上告人(国)は、訴外D株式会社に対して売掛残代金2,312,364円80銭の債権を持っていた。遅延損害金は年6分である。一方、訴外会社は一審被告ら8名に対してそれぞれ元本200万円の金銭債権を持っており、その遅延損害金は日歩4銭であった。

被上告人は、訴外会社に対する債権に基づき、訴外会社の一審被告らに対する債権を代位行使して請求した。原審の口頭弁論終結時の元利合計額は、被上告人の債権が440万円に満たないのに対し、代位の対象となった各債権は660万円を超えていた。原審はこの請求を認容した。

一審被告のうちF・Gは訴訟中に死亡し、その子・妻である上告人らが相続分に応じた限度で義務を承継した。上告人らは、遅延損害金の利率が高いために代位の対象債権が被保全債権より過大となっており、代位権行使の範囲を逸脱していると主張して上告した(ほかに会社設立時の払込の効力なども争ったが、退けられた)。

争点

  • 金銭債権に基づいて債務者の第三債務者に対する金銭債権を代位行使する場合、債権者はどの範囲で行使できるか
  • 被保全債権の額を超えて被代位債権の全額を代位行使できるか

判旨

結論:一部破棄自判である。被上告人の債権額を超えて認容した部分は民法423条の解釈適用を誤った違法があるとして、その部分の請求を棄却した。

規範:債権者代位権は債権者の債権を保全するための制度である。したがって行使できる範囲は、その債権の保全に必要な限度に限られる。債権者が債務者に対する金銭債権に基づいて、債務者の第三債務者に対する金銭債権を代位行使する場合、債権者は自己の債権額の範囲においてのみ債務者の債権を行使できる。

具体的な認容範囲:

  • 元の一審被告である上告人に対しては、各自、被上告人の債権額2,312,364円80銭と、昭和26年2月7日以降の年6分(商事法定利率)の金員まで。
  • 相続人である上告人に対しては、その額に各相続分(27分の2、3分の1、9分の2)を乗じた額と、同じ遅延損害金まで。

判決文から

「債権者代位権は、債権者の債権を保全するために認められた制度であるから、これを行使しうる範囲は、右債権の保全に必要な限度に限られるべきものであつて」

制度趣旨から行使範囲の限定を導く根拠部分

「債権者が債務者に対する金銭債権に基づいて債務者の第三債務者に対する金銭債権を代位行使する場合においては、債権者は自己の債権額の範囲においてのみ債務者の債権を行使しうるものと解すべきである。」

答案に書ける規範そのもの

「被上告人としては、前記自己の債権額を超えて訴外会社の一審被告らに対する前記請求債権の全額についてこれを代位行使することはできないものといわなければならない。」

全額行使を否定する当てはめの結論

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。