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最大判昭和44年6月18日

偽造運転免許証を携帯して運転しただけでは行使に当たらない。牽連犯の中間に別罪の確定裁判があっても刑法54条は適用される。

刑法文書偽造罪本試験で 3 問(短答 3・論文 0)

出題:司法H23・司法R3・司法R8

裁判所
最高裁判所大法廷
事件番号
昭和43(あ)1651 有印公文書偽造、同行使、道路交通法違反
裁判
判決・破棄差戻
判例集
刑集 第23巻7号950頁
参照法条
刑法45条,刑法54条1項,刑法158条,刑法155条,道路交通法95条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

一 牽連犯を構成する二罪の中間に別罪の確定裁判が介在する場合と刑法五四条の適用 二 偽造運転免許証の携帯運転と偽造公文書行使罪の成否

裁判要旨

一 牽連犯を構成する手段となる犯罪と結果となる犯罪との中間に別罪の確定裁判が介在する場合においても、なお刑法五四条の適用がある。 二 自動車を運転する際に偽造にかかる運転免許証を携帯しているに止まる場合には、偽造公文書行使罪を構成しない。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

被告人は、昭和40年1月28日、福岡県公安委員会作成名義の大型自動車運転免許証1通(有印公文書)を偽造した。その後、昭和42年10月22日から同年12月1日までの間、19回にわたり、タクシー運転手として営業用普通自動車を運転し、その際にこの偽造免許証を携帯していた。この携帯が偽造公文書行使にあたるとして起訴された。

偽造と各携帯行為の間には、昭和41年2月10日に確定した窃盗・有印私文書偽造・同行使罪の懲役1年の確定裁判がある。

第一審は、有印公文書偽造罪と各回の行使罪を牽連犯とし、最も重い昭和42年12月1日の行使罪の刑で処断した。原審(福岡高裁)もこれを是認した。検察官は、牽連犯の中間に確定裁判が介在すれば一罪として扱えないとする各高裁判例に反するとして上告した。

争点

  • 牽連犯を構成する手段となる犯罪と結果となる犯罪の中間に別罪の確定裁判が介在する場合にも、刑法54条1項後段が適用されるか
  • 自動車運転の際に偽造運転免許証を携帯しているだけで、偽造公文書行使罪(刑法158条1項)の「行使」にあたるか

判旨

破棄差戻し。判断は2つである。

  • 牽連犯について:手段となる犯罪と結果となる犯罪の中間に別罪の確定裁判が介在する場合でも、なお刑法54条の適用がある。原判決のこの判断は正当であり、これに反する各高裁判例は変更する。
  • 行使について:偽造公文書行使罪にいう「行使」にあたるには、文書を真正に成立したものとして他人に交付・提示等してその閲覧に供し、その内容を認識させ、またはこれを認識しうる状態におくことを要する。運転免許証の携帯と一定の場合の提示義務が法令上定められていても、運転の際に偽造免許証を携帯しているに止まる場合は、他人の閲覧に供し内容を認識しうる状態においたとはいえず、行使罪にあたらない。

携帯の事実だけで行使罪を認めた第一審・原審は法令の解釈適用を誤った。記録上、昭和42年12月1日に偽造免許証を警察官に提示した事実も窺われるため、審理を尽くさせるべく第一審に差し戻した。

判決文から

「同罪にいう行使にあたるためには、文書を真正に成立したものとして他人に交付、提示等して、その閲覧に供し、その内容を認識させまたはこれを認識しうる状態におくことを要するのである。」

「行使」の定義。答案にそのまま書ける規範

「自動車を運転する際に偽造にかかる運転免許証を携帯しているに止まる場合には、未だこれを他人の閲覧に供しその内容を認識しうる状態においたものというには足りず、偽造公文書行使罪にあたらないと解すべきである。」

携帯運転は行使にあたらないとの結論

「たとい自動車を運転する際に運転免許証を携帯し、一定の場合にこれを提示すべき義務が法令上定められているとしても」

提示義務があっても結論は変わらない

「牽連犯を構成する手段となる犯罪と結果となる犯罪との中間に別罪の確定裁判が介在する場合においても、なお刑法五四条の適用があるものと解するのが相当である。」

確定裁判が介在しても牽連犯は分断されない

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。