最判昭和44年10月17日
裁判外で訴え取下げの合意が成立すると、原告は権利保護の利益を失ったものとして、訴えは却下されるとした判例
民事訴訟法上訴・再審訴訟行為・期日期間処分権主義本試験で 5 問(短答 5・論文 0)
出題:司法H22・司法H23・予備H23・予備H24・予備R3
- 裁判所
- 最高裁判所第二小法廷
- 事件番号
- 昭和44(オ)770 建物所有権確認、建物保存登記抹消請求
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 民集 第23巻10号1825頁
- 参照法条
- 民訴法236条,民訴法225条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
裁判外の訴取下の合意の効力
裁判要旨
裁判外で訴取下の合意が成立した場合には、権利保護の利益を喪失したものとして、訴を却下すべきである。
解説
事案
建物所有権確認と建物保存登記抹消を求めた訴訟である。上告人は原告で、控訴審では被控訴人の立場にあった。
- 控訴審で、被上告人(被告)は、裁判外で訴え取下げの合意が成立したと主張した。この主張を書いた準備書面は、上告人の代理人に送達されていた。
- しかし代理人は、その後の口頭弁論期日に出頭しなかった。合意の主張について認否も反証の申出もしなかった。
- 上告人が申請した証人Dと上告人本人は、所在不明で呼出しができなかった。裁判所が催告しても住所は補正されず、放置された。
- 原審(大阪高裁)は、訴え取下げの合意の成立を認めた。そのうえで弁論を終結し、訴えを却下した。
上告人は、合意の認定と、反論・反証の機会を与えずに弁論を終えた原審の手続の違法を主張して上告した。
争点
- 裁判外で成立した訴え取下げの合意は、係属中の訴訟にどのような効力をもつか(訴訟の当然終了か、訴え却下か)
- 相手方が合意を主張したのに原告側が期日に出頭せず、反論・反証もしない場合に、原審が弁論を続行しなかったことは違法か
判旨
上告棄却。
- 規範:裁判外で訴え取下げの合意が成立した場合、その訴えの原告は権利保護の利益を喪失したものとみることができる。したがって、その訴えは却下すべきである。
- 合意によって訴訟が当然に終了するのではない。請求棄却でもない。訴訟要件(権利保護の利益)を欠くことを理由とする訴え却下判決で処理する。
- 手続面について:準備書面が送達されていたのに原告代理人が期日に出頭せず、認否・反証の申出もしなかった。原告本人と証人も、住所が補正されないまま呼出し不能だった。このような事情の下では、原審が弁論を続行して反論・反証の機会を与えなかったとしても、手続は違法でない。
- 裁判官全員一致。
判決文から
「原判示のような訴の取下に関する合意が成立した場合においては、右訴の原告は権利保護の利益を喪失したものとみうるから、右訴を却下すべきものであり」
取下げ合意→権利保護の利益喪失→却下という規範の核心
「原審がさらに弁論を続行して、被控訴人(上告人)に右の点に対する反論および反証の申出をさせなかつたとしても、その手続になんら所論の違法があるとはいえない。」
合意の主張に反論しない当事者のために弁論続行は不要
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
