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最判昭和43年3月15日

土地所有者が建物の共同相続人に建物収去土地明渡しを求める訴えは、固有必要的共同訴訟ではないとした判例

民事訴訟法当事者・当事者能力複数請求訴訟・共同訴訟契約総論(成立・解除・危険負担)本試験で 5 問(短答 4・論文 1)

出題:司法H23・司法H26・司法H30・予備H26・予備R6

裁判所
最高裁判所第二小法廷
事件番号
昭和41(オ)162 建物収去土地明渡請求
裁判
判決・棄却
判例集
民集 第22巻3号607頁
参照法条
民訴法62条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

土地所有権に基づいて建物共有者に対し建物収去および土地明渡を求める訴は必要的共同訴訟か

裁判要旨

土地の所有者が、その所有権に基づいて、右地上にある建物の所有権を共同相続によつて取得した者らに対し、右建物の収去および土地の明渡を求める訴は、必要的共同訴訟ではないと解すべきである。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

被上告人(土地所有者)は、本件土地の所有権に基づき、地上建物の所有者である被告Dに対して建物収去土地明渡しを求める訴えを提起した。訴訟の係属中にDが死亡し、受継手続を終えた承継人だけについて手続が進められ、原審はその者らとの関係で審理・判決した。

上告人らは上告理由で次のように主張した。Dには受継手続をしていない他の承継人(E)がいる。建物の共同相続人に対する建物収去土地明渡請求は固有必要的共同訴訟である。したがって、相続人の一部だけについて手続を進めた原審の手続は違法である。

争点

  • 土地所有者が所有権に基づき、建物の共同相続人(共有者)に対して建物収去土地明渡しを求める訴えは、固有必要的共同訴訟か
  • 被告の死亡後、受継手続を終えた承継人だけについて手続を進め、審理判決することは許されるか

判旨

結論:上告棄却。土地所有者が所有権に基づき、地上建物の所有者である共同相続人を相手方として建物収去土地明渡しを請求する訴訟は、固有必要的共同訴訟ではない。

規範:

  • 共同相続人らの建物収去土地明渡義務は不可分債務である。各自が係争物件の全部について侵害行為の全部を除去すべき義務を負う。
  • そのため、土地所有者は共同相続人各自に対して順次その履行を訴求でき、全員に対して同時に訴えを提起し、同時に判決を得る必要はない。
  • したがって、他に承継人がいても、受継手続を終えた者だけについて手続を進め、その者との関係でのみ審理判決してよい。

なお、Dの相続人であれば、その者は当然にDの地位を承継し、当事者の地位を取得する。

判決文から

「土地の所有者がその所有権に基づいて地上の建物の所有者である共同相続人を相手方とし、建物収去土地明渡を請求する訴訟は、いわゆる固有必要的共同訴訟ではないと解すべきである。」

判旨の結論部分

「共同相続人らの義務はいわゆる不可分債務であるから、その請求において理由があるときは、同人らは土地所有者に対する関係では、各自係争物件の全部についてその侵害行為の全部を除去すべき義務を負う」

不可分債務を根拠とする実体法上の理由

「手続上の不経済と不安定を招来するおそれなしとしない」

固有必要的共同訴訟説を退ける訴訟政策的理由

「土地所有者は、共同相続人各自に対して債務名義を取得するか、あるいはその同意をえたうえでなければ、その強制執行をすることが許されない」

通常共同訴訟と解しても被告保護に欠けない理由

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。