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最判昭和43年2月22日

境界確定の訴えは所有権の範囲の確認を目的とせず、取得時効の成否は境界確定とは無関係とした判例

民事訴訟法訴えの利益当事者・当事者能力本試験で 2 問(短答 2・論文 0)

出題:予備H29・予備R4

裁判所
最高裁判所第一小法廷
事件番号
昭和42(オ)718 境界確定請求
裁判
判決・棄却
判例集
民集 第22巻2号270頁
参照法条
民訴法406条ノ2,民訴規則58条2号,民法162条,民法223条,民訴法225条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

一、上告裁判所である高等裁判所の意見が前に上告裁判所である大審院の法令の解釈についてした判決に反するとして事件が最高裁判所に移送された事例 二、境界確定の訴と取得時効

裁判要旨

一、(省略) 二、取得時効の成否は、境界確定の訴における境界確定とは関係がない。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

隣接するa番地のcの土地とa番地のbの土地の境界をめぐる境界確定請求事件である。

  • 上告人は、a番地のbの土地の一部を時効取得したとする取得時効の抗弁を主張した。
  • 原審(東京地方裁判所)は、取得時効の成否は所有権の帰属の問題であり、相隣接する土地の境界の確定とはかかわりがないとして抗弁を排斥した。そのうえで、両土地の境界をAB線と認定した。
  • 上告人は上告した。上告理由第一点では、取得時効は境界確定に関係するとする判例を引用し、原審の判断の違法を主張した。上告理由第二点では、境界の認定を争った。
  • 上告裁判所である高等裁判所の意見が大審院の法令解釈の判決と異なったため、事件は最高裁判所に移送された(判示事項一)。

争点

  • 境界確定の訴えの性質(土地所有権の範囲の確認を目的とするものか)
  • 境界確定の訴えにおいて取得時効の抗弁は意味をもつか

判旨

上告棄却。

  • 規範(訴えの性質):境界確定の訴えは、隣接する土地の境界が事実上不明なため争いがある場合に、裁判によって新たにその境界を確定することを求める訴えである。土地所有権の範囲の確認を目的とするものではない。
  • 帰結:取得時効の抗弁の当否は、境界確定には無関係である。隣地の一部を時効取得しても、地番と地番の境界が移動するわけではないからである。
  • 時効取得に基づいて境界を越えた部分の所有権を主張したいのであれば、別に当該土地の所有権確認を求めるべきである。
  • 取得時効を境界確定に関係するとする上告人引用の判例は「当裁判所の採らないところ」とした。

判決文から

「境界確定の訴は、隣接する土地の境界が事実上不明なため争いがある場合に、裁判によつて新たにその境界を確定することを求める訴であつて、土地所有権の範囲の確認を目的とするものではない。」

境界確定訴訟の性質を示す中核の規範

「かりに上告人が本件a番地のbの土地の一部を時効によつて取得したとしても、これによりa番地のcとa番地のbの各土地の境界が移動するわけのものではないからである。」

時効取得が境界に影響しない理由

「上告人が、時効取得に基づき、右の境界を越えてa番地のbの土地の一部につき所有権を主張しようとするならば、別に当該の土地につき所有権の確認を求めるべきである。」

所有権の争いは別訴(所有権確認)で扱うという振り分け

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。