最判昭和43年10月8日
土地の継続的用益の外形があり、それが賃借の意思に基づくことが客観的に表現されていれば、土地賃借権を時効取得できる(民法163条)
出題:司法H24・司法H28・司法H29・司法R6・予備R3・予備R6
- 裁判所
- 最高裁判所第三小法廷
- 事件番号
- 昭和42(オ)954 借地権確認等請求
- 裁判
- 判決・その他
- 判例集
- 民集 第22巻10号2154頁
- 参照法条
- 民法163条,民法601条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
土地賃借権の時効取得
裁判要旨
土地の継続的な用益という外形的事実が存在し、かつ、それが賃借の意思に基づくことが客観的に表現されているときは、土地賃借権を時効により取得することができる。
解説
事案
上告人は、被上告人所有の複数の土地(第一(一)(二)土地、第二土地、第三土地)について、賃借権の確認を求めた。主位的には賃貸借契約の成立を、仮定的には賃借権の時効取得を主張した。これに対し被上告人は、上告人所有の建物の収去、土地の明渡し、金員の支払を求めた。
原審の判断は次のとおりである。
- 第一(一)土地は賃貸借の成立を認めた。
- 第二・第三土地は賃借権の時効取得を否定した。
- 第一(二)土地は賃貸借の成立を否定したが、時効取得の主張には何も判断しなかった。
第二土地について原審は、上告人が昭和22年4月頃から占有していることを前提に、「賃借権を享受する意思」がなかったとした。しかし、その根拠として引用した「前認定」の事実は、判決理由中のどこにも示されていなかった。また第二土地は、賃貸借の成立が認められた第一(一)土地と同時に占有が始まっていた。さらに上告人が土地使用の対価として賃料を支払ってきたこと(土地の範囲は別として)には争いがなかった。上告人が上告した。
争点
- 土地賃借権は民法163条により時効取得できるか、その要件は何か
- 賃借権の時効取得の主張に判断を示さず、または賃借意思の否定に説明を欠いた原判決に違法があるか
判旨
結論:原判決のうち、第一(二)土地と第二土地に関する部分を破棄し、原審に差し戻した。第三土地に関する上告は棄却した。
- 第一(二)土地:時効取得の主張に判断を示していないので、判断遺脱の違法がある。
- 第二土地:賃借権享受の意思を否定した根拠となる事実認定の説示がないので、審理不尽・理由不備の違法がある。
規範:土地の継続的な用益という外形的事実が存在し、かつ、それが賃借の意思に基づくことが客観的に表現されているときは、民法163条に従い、土地賃借権を時効取得することができる。
答案では、要件を次の2つに分けて書けばよい。
- ①土地の継続的な用益という外形的事実
- ②それが賃借の意思に基づくことの客観的表現
これに163条の「自己のためにする意思」での行使と、所定期間の継続を加える。
判決文から
「土地の継続的な用益という外形的事実が存在し、かつ、それが賃借の意思に基づくことが客観的に表現されているときは、民法一六三条に従い土地賃借権の時効取得が可能であると解するのが相当である。」
賃借権の時効取得の要件を示した規範部分
「上告人が土地使用の対価として被上告人に賃料を支払つて来たことは(土地の範囲は別として)争いがないというのであるから、原判示のように、上告人において賃借権享受の意思がなかつたとするには、当然なんらかの説明を要するところである。」
賃料支払が賃借意思の客観的表現を基礎づける事情となる
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
