SaySayLaw

最判昭和42年4月7日

裁量処分の無効確認訴訟では、原告が裁量権の逸脱・濫用と瑕疵の重大明白性を具体的事実により主張立証しなければならない

行政法その他の抗告訴訟(義務付け・差止め)取消訴訟の審理・判決本試験で 2 問(短答 2・論文 0)

出題:予備R2・予備R6

裁判所
最高裁判所第二小法廷
事件番号
昭和40(行ツ)45 原野売渡処分無効確認請求
裁判
判決・棄却
判例集
民集 第21巻3号572頁
参照法条
行政事件訴訟特例法1条,行政事件訴訟法3条4項,行政事件訴訟法30条,民訴法225条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

裁量処分の無効確認訴訟における無効事由の主張・立証責任

裁判要旨

行政庁の裁量に任された行政処分の無効確認を求める訴訟においては、その無効確認を求める者において、行政庁が右行政処分をするにあたつてした裁量権の行使がその範囲をこえまたは濫用にわたり、しかも、当該瑕疵が重大かつ明白であることを主張および立証することを要する。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

旧自作農創設特別措置法41条1項2号および同法施行規則28条の8に基づいて、政府が牧野の売渡処分をした。上告人らは、この売渡処分の無効確認を求めて訴えを提起した(事件名は原野売渡処分無効確認請求)。原審(仙台高裁)は、本件売渡処分は無効でないと判断した。

上告人らは上告し、本件売渡処分の当時、本件土地は上告人らの入会採草地であったことなどを主張した。しかし、原審でそのような主張をした事跡は記録上なかった。最高裁は上告を棄却した。

争点

  • 行政庁の裁量に任された行政処分の無効確認訴訟において、無効事由の主張・立証責任をいずれの当事者が負うか
  • 旧自作農創設特別措置法41条1項2号に基づく牧野売渡処分で、売渡の相手方の選定は政府の裁量に属するか

判旨

上告棄却。

規範:旧行政事件訴訟特例法の下でも行政事件訴訟法の下でも、行政庁の裁量に任された行政処分の無効確認訴訟では、無効確認を求める者(原告)が次の2点を主張・立証しなければならない。

  • 裁量権の行使がその範囲を超え、または濫用にわたること。したがって処分が違法であること
  • その違法が重大かつ明白であること

あてはめ:本件の牧野売渡処分は、旧自作農創設特別措置法41条1項2号・同法施行規則28条の8に基づく。そこに規定された者のうち誰を売渡の相手方とするかは、政府の裁量に任されている。上告人らは、裁量権の逸脱・濫用により違法であることの具体的事実も、違法が重大かつ明白であることの具体的事実も、いずれも主張していない。したがって、処分を無効でないとした原判決に違法はない。

判決文から

「行政庁の裁量に任された行政処分の無効確認を求める訴訟においては、その無効確認を求める者において、行政庁が右行政処分をするにあたつてした裁量権の行使がその範囲をこえまたは濫用にわたり、」

責任主体を原告とし、対象を裁量処分に限定した部分

「したがつて、右行政処分が違法であり、かつ、その違法が重大かつ明白であることを主張および立証することを要するものと解するのが相当である。」

違法性と重大明白性の双方を原告が立証すべきとした

「右法条に規定されたものの相互の間で、いずれのものを売渡の相手方とするかは、政府の裁量に任されているものというべきである。」

本件処分が裁量処分であることの認定

「政府のした右裁量権の行使がその範囲をこえもしくは濫用にわたり、したがつて違法視されるべき旨の具体的事実の主張または右違法が重大かつ明白である旨の具体的事実の主張のいずれをもしていない」

「具体的事実」の主張が必要であることを示す

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。