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最判昭和42年12月21日

公判廷自白は憲法38条3項の「本人の自白」に含まれない。無免許運転罪では無免許の事実にも補強証拠を要するとした判例

刑事訴訟法自白法則・補強法則取調べ・供述の任意性本試験で 2 問(短答 2・論文 0)

出題:司法H24・予備R4

裁判所
最高裁判所第一小法廷
事件番号
昭和42(あ)1362 業務上過失致死、道路交通法違反
裁判
判決・棄却
判例集
刑集 第21巻10号1476頁
参照法条
憲法38条3項,刑訴法319条2項,道路交通法64条,道路交通法118条1項1号

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

一 憲法第三八条第三項にいう「本人の自白」 二 道路交通法第六四条第一一八条第一項第一号のいゆる無免許運転の罪と補強証拠の範囲

裁判要旨

一 憲法第三八条第三項にいう「本人の自白」には、その判決をした裁判所の公判廷における被告人の自白を含まない。 二 道路交通法第六四条、第一一八条第一項第一号のいゆる無免許運転の犯罪事実を認定するにあたつては、運転行為のみならず、運転免許を受けていなかつたという点についても、被告人の自白のほかに、補強証拠の存在することを要するものと解すべきである。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

被告人は業務上過失致死と道路交通法違反(同法64条、118条1項1号の無免許運転)で起訴され、第一審の公判廷で自白した。

原判決(福岡高裁)は、無免許運転の罪について「無免許という消極的身分の如きその主観的側面については、被告人の自白だけでこれを認定して差支えない」と判示した。つまり、被告人が運転免許を受けていなかった事実には補強証拠は要らないとした。

弁護人は、公判廷の自白のみで有罪としたのは憲法38条3項に違反するなどと主張して上告した。

なお、第一審判決が証拠に掲げたAの司法巡査に対する供述調書には、Aが被告人の職場の同僚として、被告人が運転免許を受けていなかった事実を知っていたと思われる趣旨の供述が記載されていた。

争点

  • 判決裁判所の公判廷における被告人の自白は、憲法38条3項にいう「本人の自白」に含まれるか
  • 無免許運転の罪で、運転免許を受けていなかった事実についても刑訴法319条2項の補強証拠を要するか

判旨

上告棄却。

  • 憲法38条3項について:判決裁判所の公判廷における被告人の自白は、同条項にいう「本人の自白」に含まれない(大法廷判例の踏襲)。本件では第一審公判廷で自白しているから、憲法違反の主張は理由がない。
  • 刑訴法319条2項について:無免許運転の罪では、運転行為だけでなく、運転免許を受けていなかったという事実についても、自白のほかに補強証拠が必要である。無免許の点は自白のみで認定できるとした原判決は、同条項の解釈を誤っている。
  • 結論:ただし本件では、同僚Aの司法巡査に対する供述調書が、被告人の公判廷自白を補強するに足りる。したがって原判決の違法は判決に影響を及ぼさない(刑訴法408条で棄却)。

判決文から

「判決裁判所の公判廷における被告人の自白が、同条項にいわゆる「本人の自白」に含まれないことは、当裁判所大法廷判決」

憲法38条3項の「本人の自白」から公判廷自白を除く

「無免許運転の罪においては、運転行為のみならず、運転免許を受けていなかつたという事実についても、被告人の自白のほかに、補強証拠の存在することを要するものといわなければならない。」

無免許の点にも補強を要するとした中心的規範

「無免許の点については、被告人の自白のみで認定しても差支えないとしたのは、刑訴法三一九条二項の解釈をあやまつたものといわざるを得ない。」

消極的身分は自白のみで足りるとの見解を否定

「この供述は、被告人の公判廷における自白を補強するに足りるものと認められるから」

同僚の供述調書でも無免許の補強になり得る

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。