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慰謝料請求権相続事件

最大判昭和42年11月1日

不法行為による慰藉料請求権は、被害者が生前に請求の意思を表明しなくても、当然に相続の対象となる。

民法不法行為相続責任財産の保全(詐害行為・債権者代位)本試験で 3 問(短答 3・論文 0)

出題:司法H23・司法R1・予備H23

裁判所
最高裁判所大法廷
事件番号
昭和38(オ)1408 慰藉料請求
裁判
判決・破棄差戻
判例集
民集 第21巻9号2249頁
参照法条
民法710条,民法711条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

不法行為による慰藉料請求権は相続の対象となるか

裁判要旨

不法行為による慰藉料請求権は、被害者が生前に請求の意思を表明しなくても、相続の対象となる。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

被上告会社の運転手Dが、会社のために会社所有の大型貨物自動車を運転中、国道上でEの乗る自転車に衝突した(昭和36年8月16日)。Eは重傷を負い、12日後に死亡した。Eはその間、慰藉料を請求する意思を表示しなかった。

Eの妹で相続人である上告人が、被上告会社に対し、Eの慰藉料請求権を相続したとして慰藉料を請求した。

原審(東京高裁)は、慰藉料請求権は一身専属権であるとした。そのうえで、被害者が行使の意思を表明するか、表明したと同視すべき状況にあったときに初めて相続の対象となると判断し、相続を否定した。上告人は、この解釈が慰藉料請求権の相続に関する法理を誤るとして上告した。

争点

  • 不法行為による慰藉料請求権(民法710条)は相続の対象となるか
  • 相続の対象となるために、被害者が生前に請求の意思を表明することを要するか
  • 近親者固有の慰藉料請求権(民法711条)の存在が、被害者本人の慰藉料請求権の相続性を否定する根拠となるか

判旨

結論:原判決を破棄し、差し戻した。

規範

  • 他人の故意過失によって財産以外の損害を被った者は、財産上の損害の場合と同様、損害の発生と同時に慰藉料請求権を取得する。
  • 請求権を放棄したと解しうる特別の事情がない限り、これを行使でき、請求の意思を表明するなど格別の行為は不要である。
  • 被害者が死亡したときは、相続人は当然に慰藉料請求権を相続する。

被害者が行使の意思を表明するか、これと同視すべき状況にあったときに初めて相続の対象となるとした原判決は、慰藉料請求権の性質と相続に関する民法の規定の解釈を誤ったものである。

判決文から

「損害の発生と同時にその賠償を請求する権利すなわち慰藉料請求権を取得し、右請求権を放棄したものと解しうる特別の事情がないかぎり、これを行使することができ」

発生時期と、意思表明不要の規範

「当該被害者が死亡したときは、その相続人は当然に慰藉料請求権を相続するものと解するのが相当である。」

当然相続という結論部分

「慰藉料請求権そのものは、財産上の損害賠償請求権と同様、単純な金銭債権であり、相続の対象となりえないものと解すべき法的根拠はなく」

被害法益と請求権の性質を区別した核心

「この両者の請求権は被害法益を異にし、併存しうるものであり」

711条の固有慰藉料と相続分の併存

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。