最判昭和41年3月3日
共有物に対する不法行為の損害賠償は、各共有者が自己の持分割合に応じてのみ請求できるとした判例
出題:司法H29・司法R8・予備H27・予備R4
- 裁判所
- 最高裁判所第一小法廷
- 事件番号
- 昭和39(オ)1179 所有権確認等請求
- 裁判
- 判決・その他
- 判例集
- 集民 第82号639頁
- 参照法条
- 民法249条,民法709条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
共有物に対する不法行為と共有者の損害賠償請求権の範囲
裁判要旨
共有者は、共有物に対する不法行為によりこうむつた損害について、自己の共有持分の割合に応じてのみ、その賠償を請求することができる。
解説
事案
被上告人ら3名は、大分県内の原野の共有者である。原審は、この原野を上告人を含む8名の共有と認定し、被上告人らの持分をそれぞれ10分の1と認定した。被上告人らは、この原野上に生えていた立木を上告人が不法に伐採したとして、所有権確認等とともに、伐採による全損害額6万8100円の賠償を求めた。
原審は、被上告人らの立木の共有持分の割合を明確にしないまま、この全額請求をそのまま認容した。上告人は2点を争って上告した。
- 第一点:問題の地域が上記共有地の範囲内にあるとした認定は違法である。
- 第二点:持分10分の1の共有者による全損害額の請求を認容したのは理由不備である。
争点
- 共有物に対する不法行為による損害賠償請求権を、各共有者はどの範囲で行使できるか
- 一部の共有者が全損害額の賠償を単独で請求できるか
- 土地上の立木の共有持分は、地盤の共有持分とどのような関係にあるか
判旨
原判決のうち上告人に金員の支払を命じた部分を破棄し、原審に差し戻した。その余の上告は棄却された。
規範:共有物に対する不法行為による損害賠償請求権は、各共有者が自己の持分に応じてのみ行使できる。他人の持分については何ら請求権を有しない。
- 共有の立木が不法に伐採された場合、共有者の全員が請求するときも一部が請求するときも、各共有者は共有持分の割合に応じて請求すべきである。
- 持分割合を超える請求は許されない。
原審は、被上告人らの立木の共有持分の割合を確定しないまま全損害額の賠償を認容した。そのため、なぜ被上告人らだけで全額を請求できるのか理由が分からず、審理不尽・理由不備の違法がある。
判決文から
「共有物に対する不法行為による損害賠償請求権は、各共有者が自己の持分に応じてのみこれを行使しうべきものであり、他人の持分に対してはなんら請求権を有するものではない。」
持分割合に限定するという本判決の中核規範
「右共有者がそれぞれその共有持分の割合に応じてこれをなすべきものであり、右共有持分の割合をこえて請求をすることは許されないところといわなければならない。」
持分を超える請求が許されないことを明示
「土地の上に生立する立木は権原により付属させた等の特段の事情のないかぎり、地盤に附合して地盤所有者の所有に帰するものであるから」
立木の持分は地盤の持分に従うという前提
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
