最判昭和40年9月21日
甲→乙→丙と所有権が移転した場合、丙は甲・乙の同意がない限り、甲に対して中間省略登記を請求できない。
出題:司法H27・司法R7
- 裁判所
- 最高裁判所第三小法廷
- 事件番号
- 昭和39(オ)985 所有権移転登記等請求
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 民集 第19巻6号1560頁
- 参照法条
- 民法177条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
中間省略の登記を求める請求の許否。
裁判要旨
不動産の所有権が甲乙丙と順次移転したのに、登記名義は依然として甲にある場合には、丙が甲に対し直接自己に移転登記を請求することは、甲および乙の同意がないかぎり、許されない。
解説
事案
不動産の所有権が甲から乙、乙から丙へと順に移転した。しかし登記名義は依然として甲のままだった。現在の所有者である丙(上告人)は、甲に対し、乙を経由せずに直接自分へ所有権移転登記をするよう求めて訴えを起こした。いわゆる中間省略登記の請求である。
原審(大阪高裁)は、登記名義人の同意について主張・立証がないとして、この請求を棄却した。
上告人は次の点を挙げて上告した。
- 原判決が法律解釈の根拠を示していないのは審理不尽・理由不備である。
- 中間省略登記請求を棄却したのは不動産登記法に違反する。
- 中間者への移転登記を経てから現所有者へ移転登記させる解釈は、経験則や慣習に反する。
- 当裁判所の先例にも反する。
争点
- 所有権が甲乙丙と順次移転し、登記名義が甲にある場合、丙は甲に対して直接自己への移転登記(中間省略登記)を請求できるか
- 中間省略登記請求が認められるための要件(誰の同意が必要か)
判旨
上告棄却。
規範:実体的な権利変動の過程と異なる移転登記を請求する権利は、当然には発生しない。
- 甲乙丙と順次所有権が移転したのに登記名義が甲にある場合、現所有者丙は、甲に対し直接自己へ移転登記するよう請求することは許されない。
- ただし、中間省略登記をすることについて登記名義人(甲)および中間者(乙)の同意がある場合は別である。
同意がない場合の進め方:丙は次の順で登記を経なければならない。
- まず債権者代位権(民法423条)によって、甲から乙への移転登記を訴求する。
- その後、乙から丙への移転登記を履践する。
本件への当てはめ:登記名義人の同意について主張・立証がない。したがって中間省略登記請求を棄却した原判決は正当である。
判決文から
「実体的な権利変動の過程と異なる移転登記を請求する権利は、当然には発生しないと解すべきであるから」
中間省略登記請求を否定する中心の規範
「ただし、中間省略登記をするについて登記名義人および中間者の同意ある場合は別である。」
例外要件。名義人と中間者の双方の同意が必要
「物権変動の経過をそのまま登記簿に反映させようとする不動産登記法の建前に照らし当然のことであつて、中間省略登記こそが例外的な便法である。」
原則と例外の位置づけを示す理由づけ
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
