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最大判昭和40年6月30日

特定物売買の売主のための保証人は、反対の意思表示がない限り、債務不履行解除による原状回復義務も保証すると判示し、大審院判例を変更した。

民法多数当事者の債権債務・保証裁判所・司法権参政権・国務請求権本試験で 4 問(短答 4・論文 0)

出題:司法H30・司法R2・司法R7・予備H30

裁判所
最高裁判所大法廷
事件番号
昭和38(オ)1294 物件引渡等請求
裁判
判決・破棄差戻
判例集
民集 第19巻4号1143頁
参照法条
民法446条,民法447条,民法545条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

売買契約解除による原状回復義務と保証人の責任。

裁判要旨

特定物の売買契約における売主のための保証人は、特に反対の意思表示のないかぎり、売主の債務不履行により契約が解除された場合における原状回復義務についても、保証の責に任ずるものと解するのが相当である。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

昭和31年7月2日、上告人(買主)はDから、Dの住宅内にある畳建具を買い受け、代金15万円を交付した。被上告人は、この売買によるDの上告人に対する債務を保証した。その後、売買契約はDの債務不履行を理由に解除された。そこで上告人は、保証人である被上告人に対し、Dの代金返還義務(原状回復義務)について保証責任を追及した。

原審は、大審院判例(大判大正6年10月27日等)に従い、被上告人に保証責任はないと判断した。この大審院判例は、遡及効のある解除による原状回復義務を「本来の債務とは別個独立の債務」と捉え、特約がない限り保証人は責任を負わないとするものである。上告人はこれを不服として上告した。

なお、被上告人は原審で、Dの債務は和解契約によりすでに消滅しており、保証債務も消滅したとの抗弁を出していた。

争点

  • 特定物売買の売主のための保証人は、売主の債務不履行による契約解除で生じる原状回復義務(代金返還義務)についても保証責任を負うか
  • 解除による原状回復義務を別個独立の債務として保証の範囲外とした大審院判例を維持すべきか

判旨

原判決を破棄し、原審に差し戻した(裁判官全員一致)。

規範

  • 特定物の売買における売主のための保証は、通常、売主の債務不履行に基因して売主が買主に負担することのある債務について責任を負う趣旨でされるものと解される。
  • したがって保証人は、債務不履行による損害賠償義務はもちろん、特に反対の意思表示のない限り、債務不履行により契約が解除された場合の原状回復義務についても保証の責任を負う。
  • これに反する大審院判例(大判大正6年10月27日等)は、この趣旨で変更する。

本件へのあてはめ

  • 原状回復義務を保証しない旨の特約があった事実が明らかにされない限り、被上告人はDの代金返還義務について保証責任を負う。
  • 原審は特約の有無を考慮せずに保証責任を否定しており、審理不尽の違法がある。
  • 主債務が和解により消滅したとの抗弁についても、さらに審理させる必要がある。

判決文から

「その契約の解除による原状回復義務は本来の債務が契約解除によつて消滅した結果生ずる別個独立の債務であつて、本来の債務に従たるものでもない」

変更された大審院判例の論理

「売主の債務不履行に基因して売主が買主に対し負担することあるべき債務につき責に任ずる趣旨でなされるものと解するのが相当である」

保証契約の趣旨の解釈が結論の根拠

「特に反対の意思表示のないかぎり、売主の債務不履行により契約が解除された場合における原状回復義務についても保証の責に任ずるものと認めるのを相当とする」

答案に書く規範そのもの

「前示判例は、右の趣旨においてこれを変更すべきものと認める。」

大法廷による判例変更

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。