最判昭和40年4月30日
不動産による代物弁済の債務消滅は、意思表示だけでは生じず、原則として所有権移転登記手続の完了時に生じる
出題:司法H25・司法R5
- 裁判所
- 最高裁判所第二小法廷
- 事件番号
- 昭和39(オ)665 債務不存在確認等
- 裁判
- 判決・破棄差戻
- 判例集
- 民集 第19巻3号768頁
- 参照法条
- 民法482条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
不動産所有権の譲渡をもつて代物弁済をする場合における債務消滅の要件。
裁判要旨
不動産所有権の譲渡をもつて代物弁済をする場合の債務消滅の効力は、原則として、単に所有権移転の意思表示をなすのみでは足らず、所有権移転登記手続の完了によつて生ずるものと解すべきである。
解説
事案
昭和34年10月8日頃、債務者B(原告・被上告人)と債権者A(被告・上告人)との間で、Bが所有する土地を代物弁済として提供し、65万円の債務の元利金と約束手形金債務を消滅させる契約が成立した。Bは、Aに対して債務不存在確認等を求めて訴えを提起した。
第一審判決は、この代物弁済契約によって本件債務は消滅したと判示した。原判決(仙台高裁)は第一審判決を引用し、Aの控訴を棄却した。つまり原審は、代物弁済契約が成立したという事実の認定だけから、ただちに債務の消滅を認めたことになる。Aはこれを不服として上告した。
争点
- 不動産所有権の譲渡による代物弁済(民法482条)で、債務消滅の効力はいつ生じるか
- 所有権移転の意思表示(代物弁済契約の成立)だけで債務は消滅するか
判旨
原判決のうちAの控訴を棄却した部分を破棄し、仙台高裁に差し戻した(全員一致)。
規範:債務者が、負担していた給付に代えて不動産所有権を譲渡し代物弁済をする場合、債務消滅の効力は、原則として所有権移転の意思表示をするだけでは生じない。所有権移転登記手続の完了によって生じる。
したがって、代物弁済契約が成立したという事実だけから直ちに債務消滅を認めた原判決は違法である。登記手続が完了したかどうかについて、さらに審理判断する必要があるとされた。
判決文から
「債務者がその負担した給付に代えて不動産所有権の譲渡をもつて代物弁済する場合の債務消滅の効力は、原則として単に所有権移転の意思表示をなすのみでは足らず、所有権移転登記手続の完了によつて生ずるものと解すべきである。」
債務消滅の時期を登記完了時とする規範の核心
「原判決は、前期認定事実のみで直ちに本件債務の消滅を肯定したのは違法である。」
契約成立の認定だけでは債務消滅を導けないことを示す
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
