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最大判昭和40年4月28日

幇助の訴因で共同正犯を認定するには訴因変更が必要であり、訴因変更命令に形成力はないとした大法廷判決

刑事訴訟法訴因変更訴因と公訴事実の同一性公訴の提起・起訴便宜主義本試験で 4 問(短答 4・論文 0)

出題:予備H29・予備R2・予備R3・予備R8

裁判所
最高裁判所大法廷
事件番号
昭和37(あ)3011 公職選挙法違反
裁判
判決・その他
判例集
刑集 第19巻3号270頁
参照法条
刑訴法312条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

一 公職選挙法第二二一条第一項第一号の金銭供与の幇助の訴因に対し共同正犯の事実を認定するには訴因変更手続を要するか。 二 訴因変更命令にはいわゆる形成的効力が認められるか。

裁判要旨

一 被告人は、甲が立候補予定者に当選を得しめる目的で選挙人等に金銭を供与する際、その案内や、選挙人を紹介する等の行為をしてこれを幇助したという公職選挙法第二二一条第一項第一号違反の幇助の訴因に対し、右甲との同条項違反の共同正犯の事実を認定するには、訴因変更手続を経ることを要する。 二 刑訴法第三一二条第二項により裁判所が訴因変更命令を発しても、検察官がこれに応じて訴因変更手続をとらない限り、訴因は変更されないと解すべきである。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

被告人Aは、衆議院議員総選挙に立候補する決意を有するFに当選を得させる目的で、GがBほか4名に現金3,000円ずつを供与した際、情を知りながらGを案内し、受供与者に紹介し、さらに受供与を勧めるなどして犯行を容易にしたとして、公職選挙法221条1項1号違反の幇助罪で起訴された。

第一審は、第5回公判期日に共同正犯へ訴因を変更するよう命じた。しかし検察官は訴因変更を請求しなかった。それでも第一審は、命令によって訴因が変更されたものとして手続を進め、AがGと共謀のうえ供与したという共同正犯の事実を認定した。

原審(東京高裁)は、幇助の起訴事実を共同正犯と認定しても被告人の防禦権の行使に実質的な不利益はないとして、訴因変更手続は不要と判示し、第一審判決を是認した。最高裁は職権調査により、A関係部分を破棄した。

争点

  • 公職選挙法221条1項1号の金銭供与の幇助の訴因に対し、共同正犯の事実を認定するには訴因変更手続を要するか
  • 刑訴法312条2項の訴因変更命令に形成的効力(命令だけで訴因が変更される効力)が認められるか

判旨

結論:原判決と第一審判決のうちA関係部分を破棄し、下妻簡易裁判所に差し戻した(刑訴法411条1号・413条本文)。他の被告人4名の上告は棄却した。

  • 規範1(訴因変更の要否):幇助の訴因に対して共同正犯を認定するには、幇助の訴因に含まれていない共謀の事実を新たに認定しなければならず、法定刑も重くなる。そのため被告人の防禦権に影響を及ぼすことは明らかであり、訴因変更を要する。原審の「実質的不利益なし」とする判断は誤りである。
  • 規範2(訴因変更命令の効力):刑訴法312条2項により裁判所が訴因変更命令を発しても、検察官がこれに応じて訴因変更手続をとらない限り、訴因は変更されない。命令に形成力を認めると、裁判所に直接訴因を動かす権限を認めることになり、訴因の変更を検察官の権限とする刑訴法の基本的構造に反するからである。
  • したがって、検察官が命令に応じないまま共同正犯を認定した第一審判決は違法である。これを是認した原判決も、破棄しなければ著しく正義に反する。

判決文から

「共同正犯を認めるためには、幇助の訴因には含まれていない共謀の事実を新たに認定しなければならず、また法定刑も重くなる場合であるから、被告人の防禦権に影響を及ぼすことは明らかであつて、当然訴因変更を要するものといわなければならない。」

訴因変更を要する理由(新たな事実・法定刑加重)

「検察官が裁判所の訴因変更命令に従わないのに、裁判所の訴因変更命令により訴因が変更されたものとすることは、裁判所に直接訴因を動かす権限を認めることになり、かくては、訴因の変更を検察官の権限としている刑訴法の基本的構造に反する」

形成力を否定する核心的理由

「裁判所から右命令を受けた検察官は訴因を変更すべきであるけれども」

命令に従う義務はあるが効力は生じない点

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。