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最判昭和40年12月3日

債権者の受領遅滞を理由とする債務者からの契約解除は、特段の事由のない限り許されないとした判例

民法債務不履行・損害賠償債権の目的・効力弁済・相殺本試験で 2 問(短答 1・論文 1)

出題:司法H23・司法R5

裁判所
最高裁判所第二小法廷
事件番号
昭和40(オ)208 損害賠償請求
裁判
判決・棄却
判例集
民集 第19巻9号2090頁
参照法条
民法413条,民法541条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

債務者は債権者の受領遅滞を理由として契約を解除できるか。

裁判要旨

債務者が債権者の受領遅滞を理由として契約を解除することは、特段の事由のないかぎり、許されない。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

上告人(債務者側)は、被上告人(債権者側)に受領遅滞があるとして契約を解除し、被上告人に損害賠償を請求した。上告理由第二点で請負代金に触れられていることから、請負代金が問題となる契約関係であったことがうかがわれる。

原判決は、債権者には債権の目的物を受領する義務がなく、債権者の受領遅滞を理由に債務者が契約を解除することはできないと判断した。

上告人は次のように主張して上告した。

  • 債権者にも、信義則の要求する程度で給付の実現に協力すべき法律上の義務がある。
  • したがって、給付の不受領は、債務者の不履行と同じく債務不履行となる。
  • 原判決の判断は信義則に反する。

なお、上告理由第二点(請負代金に関する主張)は、本訴が請負代金の支払請求ではなく損害賠償請求であることを理由に、無用の論議として排斥された。

争点

  • 債権者に目的物の受領義務があり、受領遅滞が債務不履行となるか
  • 債務者は、債権者の受領遅滞を理由として民法541条により契約を解除できるか

判旨

上告棄却。

規範:債務者の債務不履行と債権者の受領遅滞とは性質が異なる。したがって、一般に受領遅滞に債務不履行と全く同一の効果を認めることは、民法の予想していないところである。

結論:債務者が債権者の受領遅滞を理由として契約を解除することは、特段の事由のない限り許されない。特段の事由の認められない本件では、受領遅滞を理由とする上告人の解除はできないとした原判決は正当である。

答案では、「受領遅滞と債務不履行は性質を異にし、民法は受領遅滞に対し供託等の措置を予定するにとどまるから、特段の事由がない限り、受領遅滞のみを理由に債務者は契約を解除できない」と書けばよい。

判決文から

「債務者の債務不履行と債権者の受領遅滞とは、その性質が異なるのであるから、一般に後者に前者と全く同一の効果を認めることは民法の予想していないところというべきである。」

受領遅滞と債務不履行を区別する基本命題

「民法四一四条・四一五条・五四一条等は、いずれも債務者の債務不履行のみを想定した規定であること明文上明らかであり、受領遅滞に対し債務者のとりうる措置としては、供託・自動売却等の規定を設けているのである。」

条文構造からの理由づけ

「特段の事由の認められない本件において被上告人の受領遅滞を理由として上告人は契約を解除することができない旨の原判決は正当であつて」

「特段の事由」の留保付きで解除を否定

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。