最判昭和40年11月16日
株券は、会社が所定の形式を備えた文書を株主に交付した時に初めて株券として効力を生じる(交付時説)。
出題:司法H26・予備H26
- 裁判所
- 最高裁判所第三小法廷
- 事件番号
- 昭和39(オ)1410 株主権存在確認請求
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 民集 第19巻8号1970頁
- 参照法条
- 商法226条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
商法第二二六条にいう株券の発行の意義。
裁判要旨
商法第二二六条にいう株券の発行とは、会社が同法第二二五条所定の形式を具備した文書を株主に交付することをいい、株主に交付したときはじめて該文書が株券となるものと解すべきである。
解説
事案
株主権存在確認請求事件である。旧商法226条にいう「株券の発行」の意味が争われた。
- 原審(札幌高裁)は、株券の発行があるといえるには、会社が株券を株主に交付することが必要であると解した。
- 上告人は、手形の振出交付を例に挙げて上告した。株券の発行とは、会社が株券を作成し、その株券を何人かに交付することであるから、株主への交付まで要求した原判決は旧商法226条の解釈を誤っている、と主張した。
このように、株券がいつ株券としての効力を生じるか(作成時か、株主への交付時か)が問題となった。
争点
- 旧商法226条にいう「株券の発行」の意義
- 株券としての効力はいつ生じるか(作成時か、株主への交付時か)
判旨
上告棄却。
規範:旧商法226条にいう株券の発行とは、会社が旧商法225条所定の形式(記載事項)を備えた文書を株主に交付することをいう。株主に交付した時に初めて、その文書は株券となる。
帰結:会社が所定の形式を備えた文書を作成しても、株主に交付しない間は株券としての効力を有しない。
答案では「株券は、会社が法定の記載事項を備えた文書を作成し、これを株主に交付した時に初めて株券としての効力を生じる(交付時説)」と書けばよい。
判決文から
「同条にいう株券の発行とは、会社が商法二二五条所定の形式を具備した文書を株主に交付することをいい、株主に交付したとき初めて該文書が株券となるものと解すべきである。」
交付時説の規範そのもの
「たとえ会社が前記文書を作成しても、これを株主に交付しない間は、株券たる効力を有しないこというまでもない」
作成時説を否定し、未交付の文書は株券でないと明示
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