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「宴のあと」事件

東京地判昭和39年9月28日

プライバシー権を「私生活をみだりに公開されないという法的保障ないし権利」とし、その侵害を不法行為とした下級審判決

憲法幸福追求権・プライバシー人権総論・享有主体不法行為本試験で 2 問(短答 2・論文 0)

出題:司法H23・予備H23

解説

事案

モデル小説の形式で、実在の人物である原告の私生活にかかわる事柄が描かれ、公表された。原告は、これにより私生活を公開されたとして、プライバシー侵害を理由に損害賠償を請求した。

  • 第一審の東京地裁は、プライバシー侵害による不法行為の成立を認め、賠償請求を認容した。
  • 控訴審の係属中に原告が死亡し、事件は和解で終了した。そのため、上級審による判断はされていない。
  • 争いの中心は、小説という表現形式をとった場合でも私生活の公開としてプライバシー侵害が成立するか、成立するならどのような要件で判断するか、である。

争点

  • プライバシーは私法上の権利として保護され、その侵害は不法行為を構成するか
  • プライバシーの意義(どのような権利か)
  • プライバシー侵害の成立要件、特に「公開を欲しない事柄」か否かの判断基準
  • モデル小説の形式をとった公表でもプライバシー侵害が成立するか

判旨

プライバシー権を、私生活をみだりに公開されないという法的保障ないし権利と理解し、その侵害は不法行為を構成するとして、賠償請求を認容した。

侵害の成否は、公開された内容について次の点から判断する。

  • 私事性:私生活上の事柄であること。
  • 非公開の期待:一般人の感受性を基準とし、当該私人の立場に立った場合に公開を欲しないであろう事柄であること。
  • 非公知性:一般の人々にいまだ知られていない事柄であること。

小説(モデル小説)の形式をとっていても、侵害は成立し得る。

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