最判昭和39年7月10日
相手方の陳述した事実(積極否認の内容となる重要な間接事実を含む)に立脚する訴えの変更は、請求の基礎に変更があっても許される。
出題:司法H24・予備H24・予備H28・予備H30・予備R4
- 裁判所
- 最高裁判所第二小法廷
- 事件番号
- 昭和38(オ)1211 家屋明渡請求
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 民集 第18巻6号1093頁
- 参照法条
- 民訴法232条1項
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
一 相手方の陳述した事実に基づいてする訴の変更は請求の基礎に変更がる場合にも許されるか。 二 前項の相手方の陳述した事実にはいわゆる積極否認の内容となる事実を含むか。
裁判要旨
一 相手方の陳述した事実に基づいて訴の変更をする場合には、請求の基礎に変更があるときでも、相手方の同意の有無にかかわらず、訴の変更は許されると解すべきである。 二 前項の場合における相手方の陳述した事実には、いわゆる積極否認の内容となる間接事実も含まれると解すべきである。
解説
事案
Xは、Yの先代Dに対し、係争家屋はXの所有であるとして、その所有権に基づき家屋の明渡しと、延滞賃料・賃料相当損害金の支払を請求した。
これに対しDは、係争家屋はXの所有していたもとの家屋を取り壊して新たに建築したものであり、Dの所有に属すると主張し、Xの所有権を積極的に否認した(積極否認)。
そこでXは、Dの陳述に従い、係争家屋の所有権がDにあることを前提として、本件土地の所有権に基づく家屋収去・敷地明渡しの請求を、第一審で予備的に追加した。
原審(大阪高裁。一審判決を引用)はこの追加的変更を許容した。Y側は、この訴えの変更は許されないとして上告した。
争点
- 相手方の陳述した事実に基づく訴えの変更は、請求の基礎に変更がある場合でも許されるか(旧民訴法232条1項、現民訴法143条1項)
- その「相手方の陳述した事実」に、積極否認の内容となる間接事実も含まれるか
判旨
上告棄却(訴えの変更を許容した原審の判断は相当)。
規範1
- 相手方の提出した防御方法を是認し、相手方の主張事実に立脚して新たに請求をする場合、すなわち相手方の陳述した事実をもって新請求の原因とする場合が対象である。
- この場合、たとえ新請求が請求の基礎を変更する訴えの変更であっても、相手方は異議を述べてその不許を主張することはできない。
- 相手方が現実に同意したかどうかにかかわらず、訴えの変更は許される。
規範2
- ここでいう相手方の陳述した事実は、狭義の抗弁・再々抗弁などの防御方法に限られない。
- 相手方が請求原因を否認して付加陳述する、いわゆる積極否認の内容となる重要な間接事実も含まれる。
あてはめ
- Xは、Dが積極否認として主張した事実(家屋はDの新築でD所有)を是認したうえで、これに基づき土地所有権による建物収去土地明渡請求を予備的に追加した。
- よって、この訴えの変更は許容される。
判決文から
「相手方の陳述した事実をとってもって新請求の原因とする場合においては、かりにその新請求が請求の基礎を変更する訴の変更であっても、相手方はこれに対し異議をとなえその訴の変更の許されないことを主張することはできず」
請求の基礎に変更があっても許されるという中核部分
「相手方が右の訴の変更に対し現実に同意したかどうかにかかわらず、右の訴の変更は許されると解するのが相当である」
相手方の同意は不要であることを明示
「相手方において請求の原因を否認して附加陳述するところのいわゆる積極否認の内容となる重要なる間接事実も含まれると解すべきである」
抗弁に限らず積極否認の間接事実も含むとした点
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
