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最大判昭和39年6月24日

過失相殺(民法722条2項)の前提として、被害者である未成年者には事理弁識能力があれば足り、責任能力は要らないとした大法廷判決

民法不法行為債務不履行・損害賠償本試験で 7 問(短答 6・論文 1)

出題:司法H23・司法H27・司法R1・司法R5・予備H23・予備H26・予備R5

裁判所
最高裁判所大法廷
事件番号
昭和36(オ)412 損害賠償等請求
裁判
判決・棄却
判例集
民集 第18巻5号854頁
参照法条
民法722条2項

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

民法第七二二条第二項により被害者の過失を斟酌するについて必要な被害者の弁識能力の程度。

裁判要旨

民法第七二二条第二項により被害者の過失を斟酌するには、被害者たる未成年者が、事理を弁識するに足る知能を具えていれば足り、行為の責任を弁識するに足る知能を具えていることを要しないものと解すべきである。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

他人の不法行為で損害を受けた未成年者らについて、損害賠償等が請求された事件である。被害者らは事故当時、満8歳余の普通健康体の男子であった。すでに小学校2年生で、日頃から学校と家庭で交通の危険について十分に訓戒されていた。

原審(名古屋高裁)は、被害者らには交通の危険についての弁識があったと推定し、被害者らの過失を認定した。そのうえで、損害賠償額を決めるにあたりその過失をしんしゃくした。

これに対し上告人らは上告した。上告理由は、最判昭和31年7月20日(第二小法廷)が「行為の責任を弁識するに足る知能(責任能力)のない未成年者の不注意を直ちに被害者の過失として民法722条2項を適用すべきではない」としていることなどを根拠に、原判決は判例に違反するというものである。

争点

  • 民法722条2項により被害者である未成年者の過失をしんしゃくするには、どの程度の知能(能力)が必要か
  • 責任能力(民法712条)が必要か、それとも事理弁識能力で足りるか(昭和31年判例を変更すべきか)

判旨

上告棄却。

規範:民法722条2項によって被害者である未成年者の過失をしんしゃくするには、未成年者に事理を弁識するに足る知能が備わっていれば足りる。不法行為責任を負わせる場合のように、行為の責任を弁識するに足る知能(責任能力)まで備わっている必要はない。

これと異なる最判昭和31年7月20日は変更された。

あてはめ:被害者らは満8歳余で、小学2年生として交通の危険について十分訓戒され、その危険を弁識していたと推定できる。したがって事理弁識能力を備えていたといえる。原審が被害者らの過失を認定し、賠償額の算定でしんしゃくしたのは正当である。

判決文から

「過失相殺の問題は、不法行為者に対し積極的に損害賠償責任を負わせる問題とは趣を異にし、不法行為者が責任を負うべき損害賠償の額を定めるにつき、公平の見地から、損害発生についての被害者の不注意をいかにしんしゃくするかの問題に過ぎない」

過失相殺の趣旨(公平)から能力の程度を導く理由部分

「未成年者に事理を弁識するに足る知能が具わっていれば足り、未成年者に対し不法行為責任を負わせる場合のごとく、行為の責任を弁識するに足る知能が具わっていることを要しないものと解するのが相当である。」

答案に書く規範そのもの

「前示判例は、これを変更すべきものと認める。」

昭和31年判例の変更(大法廷判決である理由)

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。