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大田区ごみ焼却場事件

最判昭和39年10月29日

処分を「直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているもの」と定式化し、ごみ焼却場設置の処分性を否定した

行政法取消訴訟の訴訟要件その他の抗告訴訟(義務付け・差止め)行政立法・行政計画本試験で 10 問(短答 6・論文 4)

出題:司法R3・司法R5・司法R6・司法R7・予備H29・予備H30・予備R7

裁判所
最高裁判所第一小法廷
事件番号
昭和37(オ)296 ごみ焼場設置条例無効確認等請求
裁判
判決・棄却
判例集
民集 第18巻8号1809頁
参照法条
行政事件訴訟特例法1条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

いわゆる抗告訴訟の対象たる行政庁の公権力行使にあたる行為の要件。

裁判要旨

国または公共団体の行なう行為のうち、それが仮りに違法なものであるとしても、正当な権限を有する機関によつて取り消されまたはその無効が確認されるまでは法律上または事実上有効なものとして取り扱われるものでなければ、いわゆる抗告訴訟の対象たる行政庁の公権力の行使にあたる行為とはいえない。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

被上告人東京都は、私人から買収した都有地の上に、私人と対等の立場で締結した私法上の契約により、ごみ焼却場を設置した。これに先立ち、都はごみ焼却場の設置を計画し、その計画案を都議会に提出していた。

この設置行為によって不利益を受けると主張する周辺住民(上告人ら)は、行政事件訴訟特例法に基づき、設置行為の無効確認等を求めて出訴した。

原審(東京高裁)は、次のように判断し、訴えを不適法とした。

  • 行政訴訟の対象は行政庁の公権力の行使としてされた行為に限られ、本件設置行為はこれに当たらない。
  • 計画案の都議会への提出も、都自身の内部的手続行為にとどまる。

上告人らは、この判断が新憲法下の法治主義の法理に反すると主張して上告した。

争点

  • 行政事件訴訟特例法1条にいう「行政庁の処分」(抗告訴訟の対象)の意義
  • 私法上の契約によるごみ焼却場の設置行為は「処分」に当たるか
  • 設置計画の策定や計画案の議会への提出は「処分」に当たるか

判旨

上告棄却(処分性否定・訴え却下の原判決を維持)。

規範:行政庁の処分とは、行政庁の法令に基づく行為のすべてではない。「公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているもの」をいう(最判昭和30年2月24日を引用)。

こうした行為は、仮に違法であっても、正当な権限を有する機関により取り消され、または無効が確認されるまでは、法律上または事実上有効なものとして扱われる。そのような性質をもつ行為でなければ、抗告訴訟の対象とはならない。

あてはめ:

  • ごみ焼却場は、都有地上に私法上の契約により設置されたものである。
  • 設置計画の策定と計画案の都議会への提出は、都の内部的手続行為にとどまる。
  • したがって、上告人らが不利益を受けるとしても、設置行為は公権力の行使により直接権利義務を形成・確定するものではなく、「行政庁の処分」に当たらない。

判決文から

「公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち、その行為によつて、直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているものをいうものである」

処分性の基本定式。答案の出発点

「行政庁の右のような行為は仮りに違法なものであつても、それが正当な権限を有する機関により取り消されるまでは、一応適法性の推定を受け有効として取り扱われるものであることを認め」

処分の特殊性(公定力)を抗告訴訟制度の根拠とする

「私人との間に対等の立場に立つて締結した私法上の契約により設置されたものであるというのであり」

私法上の契約は公権力性を欠くとするあてはめ

「被上告人都自身の内部的手続行為に止まると解するのが相当であるとした判断は、是認できる。」

計画・議会提出は内部行為で処分でない

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。