最判昭和39年10月15日
権利能力のない社団の成立要件(4要件)を示し、その資産は構成員に総有的に帰属するとした判例
出題:予備H27・予備R4・予備R8
- 裁判所
- 最高裁判所第一小法廷
- 事件番号
- 昭和35(オ)1029 建物収去土地明渡請求
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 民集 第18巻8号1671頁
- 参照法条
- 民法33条,民訴法46条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
一 法人に非ざる社団の成立要件。 二 法人に非ざる社団の資産の帰属。
裁判要旨
一 法人に非ざる社団が成立するためには、団体としての組織をそなえ、多数決の原則が行なわれ、構成員の変更にかかわらず団体が存続し、その組織において代表の方法、総会の運営、財産の管理等団体としての主要な点が確定していることを要する。 二 法人に非ざる社団がその名においてその代表者により取得した資産は、構成員に総有的に帰属するものと解すべきである。
解説
事案
社団法人D連盟は、外地引揚者の生活の維持安定と更生を目的とする団体である。その支部名義で、杉並区内に住む引揚者によって「杉並支部」が結成された。
- 杉並支部はマーケットの設置・運営を主な事業とし、店舗所有者は本部と関係なく支部の構成員となった。構成員が入れ替わると支部が承認し、支部は同一性を保ったまま存続した。
- 規約は本部の定款と同じ内容で、意思決定は総会の決議により、代表者として総会が過半数で選ぶ支部長を置いていた。
- 地主Eと支部代表者との間で本件土地の賃貸借契約が結ばれた。その後、被上告人会社が設立され、支部から賃借権を譲り受け、Eの相続人Fが賃貸人代表として譲渡を承諾した。
- 上告人A1・A2は支部を脱退して構成員資格を失っていたが、上告人らは本件土地を占有していた。
被上告人会社は、所有者Fらに代位して建物収去・土地明渡等を求めた。原審が請求を認容したため、上告人らは「独自の定款を持たない支部を社団と認めたのは違法だ」などと主張して上告した。
争点
- 法人でない社団(権利能力のない社団)の成立要件
- 権利能力のない社団の資産の帰属形態
- 本部と同じ内容の規約しか持たない「支部」が独立の権利能力のない社団といえるか
- 借地人が地主の所有権に基づく妨害排除請求権を代位行使できるか
判旨
上告棄却。
- 成立要件の規範:権利能力のない社団といえるためには、次の4つを満たす必要がある。
- ①団体としての組織を備えていること
- ②多数決の原則が行われていること
- ③構成員が変わっても団体そのものが存続すること
- ④その組織によって、代表の方法・総会の運営・財産の管理その他団体としての主要な点が確定していること
- 資産の帰属:権利能力のない社団の資産は、構成員に総有的に帰属する。社団は、代表者によって、社団の名で、構成員全体のために権利を取得し義務を負担する。
- あてはめ:杉並支部は、規約が本部の定款と同じ内容であっても、独自の組織を持ち、多数決原則が行われ、構成員が変わっても存続し、本部とは別の独立した存在であった。したがって権利能力のない社団の実体を備えている。支部代表者が結んだ賃貸借契約により、構成員全体が支部の名の下に賃借権を取得した。
- 代位行使:借地人は、地主に代位して、不法占有者に対し借地の明渡しを請求できる。
判決文から
「権利能力のない社団といいうるためには、団体としての組織をそなえ、そこには多数決の原則が行なわれ、構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続し、」
社団性の要件①〜③(組織性・多数決・存続性)
「しかしてその組織によつて代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体としての主要な点が確定しているものでなければならないのである。」
要件④(主要な点の確定)。固定資産は挙げていない
「このような権利能力のない社団の資産は構成員に総有的に帰属する。」
資産の帰属=構成員の総有
「社団の名において行なわれるのは、一々すべての構成員の氏名を列挙することの煩を避けるために外ならない」
社団名義は便宜にすぎないとの位置づけ
「借地人において賃借権に基づき債務者である地主に代位して、右不法占有者に対し借地の明渡請求をすることができる」
賃借人による妨害排除請求権の代位行使
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
