東大ポポロ事件
学問の自由の内容と大学の自治の範囲を示し、政治的社会的活動である公開の学生集会は大学の自治を享有しないとした。
出題:司法H22・司法H25・司法H26・司法H28・司法H30・司法R2・司法R3・司法R4・司法R5・予備H28・予備H30・予備R2・予備R8
- 裁判所
- 最高裁判所大法廷
- 事件番号
- 昭和31(あ)2973 暴力行為等処罰ニ関スル法律違反
- 裁判
- 判決・破棄差戻
- 判例集
- 刑集 第17巻4号370頁
- 参照法条
- 憲法23条,学校教育法52条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
一 憲法第二三条の趣旨 二 学生集会と大学の有する学問の自由および自治
裁判要旨
一 憲法第二三条の学問の自由は、学問的研究の自由とその研究結果の発表の自由とを含み、同条は、広くすべての国民に対してそれらの自由を保障するとともに、特に大学におけるそれらの自由および大学における教授の自由を保障することを趣旨としたものである。 二 学生の集会は、大学の許可したものであつても真に学問的な研究またはその結果の発表のためのものでなく、実社会の政治的社会的活動に当る行為をする場合には、大学の有する特別の学問の自由と自治は享有しない。
解説
事案
昭和27年2月20日夜、A大学の公認学内団体である劇団Bが、大学の許可を得て学内教室で演劇発表会を開いた。この集会は「反植民地闘争デー」の一環として行われた。演劇はいわゆる松川事件に取材したもので、開演前には同事件の資金カンパが行われ、いわゆる渋谷事件の報告もなされた。会場には学生・教職員以外の外来者も入場券を買って入場しており、警察署員(警察官)も入場券を買って入場していた。同大学の学生である被告人は、他の学生数名と共同して、警察官2名に対し、手を押さえる、オーバーのボタンをもぎ取る、警察手帳の紐を引きちぎるなどの暴行を加えたとして、暴力行為等処罰に関する法律1条1項違反で起訴された(第一審が被告人の行為として認定したのは、退去しようとした警察官の腕をつかむなどした行為にとどまる)。第一審は、大学自治の原則上、警察官の立入行為は違法であるとして犯罪の成立を否定し、原審(東京高裁)もこれを是認した。検察官が上告した。
争点
- 憲法23条の学問の自由の内容と保障の趣旨(教授の自由は含まれるか)
- 大学の自治の内容と範囲
- 学生および学生集会は大学の学問の自由と自治をどの範囲で享有するか
- 本件集会への警察官の立入りは大学の学問の自由と自治を侵すか
判旨
原判決および第一審判決を破棄し、東京地裁に差し戻した。
- 憲法23条の学問の自由は、学問的研究の自由と研究結果の発表の自由を含む。広くすべての国民にこれらを保障するとともに、特に大学におけるそれらの自由を保障する趣旨である。
- 教育ないし教授の自由は、学問の自由に必ずしも含まれない。ただし大学においては、教授その他の研究者が専門の研究結果を講義・演習で教授する自由が保障される。
- これらの自由も公共の福祉による制限を免れないが、大学における自由は一般の場合よりある程度広く認められる。
- 大学の自治は、主に研究者の人事について認められ、施設と学生の管理についても「ある程度で」認められる。
- 学生の集会が、真に学問的な研究や発表のためのものでなく、実社会の政治的社会的活動に当たる行為をする場合には、大学の有する特別の学問の自由と自治を享有しない。一般公衆の入場を許す場合は公開の集会と見なされる。
- 本件集会は両方に該当し、警察官の立入りは大学の学問の自由と自治を犯さない。
判決文から
「同条の学問の自由は、学問的研究の自由とその研究結果の発表の自由とを含むものであつて」
学問の自由の内容の定義
「教育ないし教授の自由は、学問の自由と密接な関係を有するけれども、必ずしもこれに含まれるものではない。」
教授の自由は当然には含まれないとした点
「大学において教授その他の研究者がその専門の研究の結果を教授する自由は、これを保障されると解するのを相当とする。」
大学の教授の自由は保障される
「この自治は、とくに大学の教授その他の研究者の人事に関して認められ、大学の学長、教授その他の研究者が大学の自主的判断に基づいて選任される。」
大学の自治の中核は人事
「大学の学生としてそれ以上に学問の自由を享有し、また大学当局の自治的管理による施設を利用できるのは、大学の本質に基づき、大学の教授その他の研究者の有する特別な学問の自由と自治の効果としてである。」
学生の地位は自治の「効果」にとどまる
「大学の公認した学内団体であるとか、大学の許可した学内集会であるとかいうことのみによつて、特別な自由と自治を享有するものではない。」
大学の許可という形式だけでは足りない
「学生の集会が真に学問的な研究またはその結果の発表のためのものでなく、実社会の政治的社会的活動に当る行為をする場合には、大学の有する特別の学問の自由と自治は享有しないといわなければならない。」
学生集会が自治を享有しない場合の規範
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
