最決昭和38年4月18日
姦淫目的で婦女を原付の荷台に乗せ、1000m余り疾走した行為に監禁罪(刑法220条)の成立を認めた決定
出題:司法H25・司法R4
- 裁判所
- 最高裁判所第一小法廷
- 事件番号
- 昭和37(あ)1778 不法監禁傷害、道路交通法違反
- 裁判
- 決定・棄却
- 判例集
- 刑集 第17巻3号248頁
- 参照法条
- 刑法220条1項
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
不法監禁罪が成立する事例。
裁判要旨
婦女を強いて姦淫しようと企て、自己の運転する第二種原動機付自転車荷台に乗車せしめ、一〇〇〇メートル余り疾走した場合は、不法監禁罪が成立する。
解説
事案
被告人は、婦女を姦淫しようと企て、自分の運転する第二種原動機付自転車の荷台にその婦女を乗車させた。そのまま1000メートルを超える道路を疾走した。
第一審は、この行為を不法監禁罪(刑法220条1項〔当時〕)に当たるとした。事件名は「不法監禁傷害、道路交通法違反」である。原審の東京高裁も第一審判決を維持した。
弁護人は上告した。上告趣意の内容は、捜査段階の瑕疵の主張、法令違反の主張、量刑不当の主張である。
争点
- 走行中の乗物(原動機付自転車の荷台)に人を乗せて疾走する行為が「監禁」に当たるか
- 囲い込まれた場所でなくても、移動する乗物上で降車できない状態に置くことが監禁といえるか
判旨
上告棄却。上告趣意は、いずれも刑訴法405条の上告理由に当たらないとされた。
そのうえで、括弧書きで次の判断を示した。婦女を姦淫する企図の下に、自分の運転する第二種原動機付自転車の荷台に婦女を乗車させ、1000メートルを超える道路を疾走した行為について、不法監禁罪に問擬した第一審判決(原判決が維持)の判断は正当である。
答案で使う規範(判例の結論を一般化したもの)
- 監禁とは、人が一定の場所から脱出することを不可能または著しく困難にすることをいう。
- 物理的に囲われた場所でなくても、疾走する乗物に乗せて降りられない状態に置けば、監禁に当たる。
判決文から
「婦女を姦淫する企図の下に自分の運転する第二種原動機付自転車荷台に当該婦女を乗車せしめて一〇〇〇メートルに余る道路を疾走した所為を以て不法監禁罪に問擬した原判決の維持する第一審判決の判断は、当審もこれを正当として是認する」
走行中の乗物上での監禁を最高裁が是認した核心部分
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