最判昭和37年8月10日
無権利者が他人の物を自己の物として処分した場合に権利者が追認すれば、民法116条類推適用により処分時に遡って効力を生ずる
出題:司法H25・司法H26・予備H26
- 裁判所
- 最高裁判所第二小法廷
- 事件番号
- 昭和34(オ)504 抵当権設定登記抹消等請求
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 民集 第16巻8号1700頁
- 参照法条
- 民法116条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
他人の権利の処分と追認
裁判要旨
甲が、乙の権利を自己の権利であるとして処分した場合に、乙がこれを追認したときは、右処分は、民法第一一六条の類推適用により、処分のときに遡つて、乙についてその効力を生ずると解すべきである。
解説
事案
上告人は本件不動産の所有者である。その長男Dは、上告人に無断で、本件不動産について所有権移転登記の手続をし、さらに本件抵当権を設定した。上告人は昭和30年6月頃にこの事実を知った。その後、遅くとも同年12月中に、上告人は被上告人に対し、本件抵当権は当初から有効に存続するものとすることを承認し、Dによる抵当権設定を追認した。
上告人は抵当権設定登記の抹消等を求めて訴えを提起した。原審は、所有者である上告人が追認した以上、抵当権の設定は上告人のために効力を生じたと判断し、上告人の請求を退けた。上告人は、追認の効力に関する原判決の解釈と事実認定を争って上告した。
争点
- 無権利者が他人の権利を自己の権利として処分した場合に、真実の権利者がした追認は効力を持つか
- 追認に効力があるとして、その効力はいつから生ずるか(遡及効の有無)
- その法律構成として、無権代理の追認に関する民法116条を類推適用できるか
判旨
上告棄却。
規範:ある物件について何の権利も有しない者が、これを自己の権利に属するものとして処分した場合に、真実の権利者が後日これを追認したときは、無権代理行為の追認に関する民法116条の類推適用により、処分の時に遡って効力を生ずる(大判昭和10年9月10日を参照として引用)。
あてはめ:上告人は、長男Dが無断でした本件抵当権設定を、遅くとも昭和30年12月中に被上告人に対して追認した。所有者である上告人が追認した以上、抵当権の設定は上告人のために効力を生じた。これと同旨の原審の判断は正当である。
判決文から
「或る物件につき、なんら権利を有しない者が、これを自己の権利に属するものとして処分した場合において真実の権利者が後日これを追認したときは」
代理形式でない「自己の権利として」の処分が対象
「無権代理行為の追認に関する民法一一六条の類推適用により、処分の時に遡つて効力を生ずるものと解するのを相当とする」
116条類推と処分時への遡及効という規範の核心
「右不動産の所有者である上告人がこれを追認した以上、これにより、右抵当権の設定は上告人のために効力を生じたものと判断したのは正当である」
追認により抵当権設定が所有者に効力を生ずる帰結
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
