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最判昭和36年5月4日

立木の明認方法は、第三者が利害関係を取得した当時にも存続していなければ、その第三者に対抗できない

民法占有権・所有権・共有不動産登記と対抗要件物権総論・物権変動本試験で 2 問(短答 2・論文 0)

出題:司法R6・予備H30

裁判所
最高裁判所第一小法廷
事件番号
昭和32(オ)355 立木所有権確認等請求
裁判
判決・破棄差戻
判例集
民集 第15巻5号1253頁
参照法条
民法177条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

明認方法は対抗力の存続の要件か。

裁判要旨

物件変動の対抗要件としての明認方法は、第三者が利害関係を取得した当時にも存在するものでなければ、これをもつて当該第三者に対抗することはできない。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

本件山林の土地と地上の立木は、もとE外64名の共有であった。J木材株式会社は、先に本件立木の所有権を取得し、買受当初に明認方法を施した。しかし、大正14年頃にはその標示はすでに見受けられなかった。同社は昭和10年前後まで明認方法に無関心であった。

昭和8年頃、共有者の一員であったDおよびFは、共有者から一切の権限を委ねられ、本件山林の土地と立木を一体としてGに売却した。Gは買受後まもなく、山林の要所に自己の所有を示す標杭を立てた。また、山林中の4、5か所で立木を削って同様の標示をした。これらの標示は、のちにI製紙株式会社がGから土地立木を一体として買い受けた当時も現存していた。

B製紙株式会社は、GからI製紙を経て本件立木の所有権を取得した。原審は、Gの取得した立木所有権がJ木材の先行取得に優先するとし、B製紙の所有権を認めた。これに対して上告がされた。

争点

  • 土地立木の売買において、立木も売買の目的に含まれていたか(立木除外の意思の有無)
  • 明認方法は、物権変動の時に一度施せば足りるか、それとも第三者が利害関係を取得する当時にも存続していることを要するか(民法177条)

判旨

上告棄却(原審の判断を是認)。

規範:明認方法は、立木に関する法律の適用を受けない立木の物権変動の公示方法として是認されているものである。したがって、登記に代わるものとして第三者が容易に所有権を認識できる手段であり、かつ、第三者が利害関係を取得する当時にもそれだけの効果をもって存在するものでなければならない。権利変動の際にいったん明認方法が行われても、問題の生じた当時に消失その他の事由で公示として働かなくなっていれば、明認方法ありとして当該第三者に対抗できない。

あてはめ:Gが買い受けた昭和8年7月当時、J木材のための明認方法は存在しなかった。他方、Gの施した標示はI製紙の買受当時も現存していた。よって、Gの取得した立木所有権はJ木材の先行取得に優先し、Gから転得したB製紙の所有権が認められる。

判決文から

「明認方法は、立木に関する法律の適用を受けない立木の物権変動の公示方法として是認されているものであるから、それは、登記に代るものとして第三者が容易に所有権を認識することができる手段で、」

明認方法の性質を登記に代わる公示方法と位置づける

「しかも、第三者が利害関係を取得する当時にもそれだけの効果をもつて存在するものでなければならず、」

存続要件の核心。基準時は第三者の利害関係取得時

「たとい権利の変動の際一旦明認方法が行われたとしても問題の生じた当時消失その他の事由で右にいう公示として働きをなさなくなつているとすれば明認方法ありとして当該第三者に対抗できないものといわなければならない」

一度施しても消失すれば対抗できないとの帰結

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。